2026年8月3日、グロービスはセイノーホールディングス、ソニー、東京海上ホールディングス、ヤマハ発動機、SB C&Sの新規事業・経営戦略担当役員と共同で、大企業の新規事業を「次代の中核事業」へと育てるための課題と、経営陣に求められる行動指針をまとめたラウンドテーブル・レポートを発表した。

昨今、多くの企業が新規事業開発に挑む一方で、概念実証(PoC)を繰り返す段階にとどまり、既存事業を揺るがすような本丸事業に育たない事例が目立つ。背景には、現場と経営陣がそれぞれ直面する「事業の壁」「資本の壁」や、「短期業績と長期投資」「既存事業と新規事業」「安定と変革」の二律背反的な経営課題が存在する。
本レポートでは、こうした状況を踏まえ、新たな価値創造を全社戦略の中心に据える経営スタイルを「創造中心経営」と定義。経営トップに求められる4つの行動指針「THE REAL」を提示している。これらは「Resolve(覚悟と決断)」「Enthusiasm(熱狂と保護)」「Awakening(覚醒と代謝)」「Lasting(継承と成長)」で構成され、循環構造として企業変革を促す。

1つ目「Resolve(覚悟と決断)」は、新規事業を会社の未来の中心と位置付け、経営トップ自らが全社戦略と結びつける明確な意思決定をするよう求める。2つ目「Enthusiasm(熱狂と保護)」は、経営トップが未来のビジョンを強く語り、挑戦する現場を組織の論理から守り抜く行動を指す。3つ目「Awakening(覚醒と代謝)」は、多様な個性を生かす評価制度を設計し、現場での経験を通じて次世代の人材を育成し、新陳代謝を促進する。4つ目「Lasting(継承と成長)」は、単発で終わらず挑戦の気運や人的ネットワークを仕組みとして残し、継続的な価値創造のサイクルを作る点にある。
このレポートは、2025年7月から2026年3月にかけて6回実施されたラウンドテーブルの議論をもとに、セイノーHD、ソニー、東京海上HD、ヤマハ発動機、SB C&Sの役員が実体験を共有し、新規事業の課題やその乗り越え方を多角的に検討した成果である。各社の具体的な経験も盛り込み、経営企画部門や経営層が直面する意思決定、資源配分、組織づくりの指針として活用可能な内容となっている。
社会や産業構造が劇的に変化する潮流の中で、新規事業を企業価値向上のエンジンと位置付け、その育成を経営課題の中心とする重要性が強調されている。レポートは、企業の持続的な成長実現のため、創造的な行動を全社規模で促進する「創造中心経営」の必要性と、その実践に向けた考え方を示すものとなっている。
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