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最先端のデジタル技術が生産プロセスを変革する──鹿島建設の「鹿島スマート生産ビジョン」とは?

Biz/Zine Dayセミナーレポート Vol.1:鹿島建設株式会社 伊藤仁氏

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深刻な労働者不足に対し、早急の解決策が求められる建設業界

 急激な人口減少が進みつつある日本。現在の1億2500万人から、2060年には9700万人へと減少することが予想されている。さらに、総人口に対する生産年齢人口は、2015年の60.4%から2060年には51.6%へ約9%も減少すると見られている。「生産年齢人口」は15歳から64歳をカウントするため、高校・大学に通う年齢を除き、もっと少なくなると考えられる。一方、総人口に占める65歳以上の人口は2040年頃まで増加し、その後もほぼ変わらないため、就労人口に対する負担が大きくなることは明らかだ。

 そうした全国的な就労人口減少により、労働者の不足が問題となっているのはどの産業でも変わらない。2025年における建設業での労働者不足の予測数は39万人だが、最も不足が著しい情報通信・サービス業では482万人で建設業の12.4倍、卸売り・小売業では188万人で建設業の4.8倍と、多くの業界で労働者不足が予想されている。

 伊藤氏はこうした現状・未来予測を踏まえ、

建設業は慢性的に労働者不足と言われているが、それはどの業界についても同様であり、業界としての魅力を高めるだけでは働く人の奪い合いとなるだけで、労働者不足そのものの解消は当面期待できないと考えています。

と労働不足について厳しい見通しを語る。

 さらに建設業における問題は、それだけではない。高齢化も顕著で、55歳以上の割合は1990年から2016年までの間に約21%から約34%にまで上り、全産業の29.3%と比べても、建設業での高齢化が進んでいることがわかる。逆に29歳以下の若年層の割合は11.4%にまで落ち込み、新たな入職者の減少も大きな課題となっている。

 労働人口が減少するのは必然とはいえ、なぜ建設業界には若年層の入職者が少ないのか。その理由について、伊藤氏は「休日や勤務時間、賃金など、労働環境が大きく影響しているのではないか」と語る。

 国土交通省の調査によると、建設業界の年間出勤日は251日、標準産業分類に基づく16産業の平均値の222日と比べて年間29日も多い。一般に就業日数が多いと言われる製造業と比較しても17日も多い計算だ。長時間労働も常態化しており、年間労働時間は2,056時間、1日あたりで8.19時間となっており、やはり製造業、産業平均よりも多い。賃金についても同様に、製造業の生産労働者と比較しても常に低く、ここ数年の人手不足を背景に若干上昇してはいるものの越えることはない。

 伊藤氏は「休みが少なく、1日の労働時間も長いうえに、賃金も低いとなれば、若者の入職者が増えないのも当然と言えるだろう」と語り、「労働力不足や働く環境、それらを背景とした建設業の魅力の低下は、業界として喫緊の課題であり、真剣に検討しなくてはならない。鹿島建設は業界を牽引するものとして、率先して対策を講じたいと考えている」と強調した。

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