インタビュー 実践企業に聞くサーキュラーエコノミー

なぜスターバックスのパートナーは主体的に動けるのか──「さりげない言動」と「ありがとう」の相乗効果

ゲスト:スターバックス コーヒー ジャパン株式会社 伊藤真也氏、鈴木浩美氏、鎌田有実氏

 前回は、紙ストロー導入にみるミッションと対話の経営をテーマに、社会課題解決に根ざしたビジョンやミッションを実現する取り組みを取材。今回はスターバックス コーヒー ジャパン 株式会社でストアマネージャー(店長)を務める伊藤真也氏、鎌田有実氏、鈴木浩美氏に、顧客や店舗パートナー(従業員)とのコミュニケーションについて聞いた。

[公開日]

[語り手] 伊藤 真也 鈴木 浩美 鎌田 有実 [聞] 大山 貴子 [取材・構成] フェリックス清香 [写] 長谷川 梓 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] サーキュラーエコノミー ダイバーシティ&インクルージョン 循環型経済 グリーンエプロンカード コミュニティコネクション

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言葉で“指示する”のではなく、さりげなく“選択肢を添える”

株式会社fog 代表 大山 貴子氏(以下、敬称略):スターバックスは循環型社会に向けたさまざまな取り組みをなさっていますが、皆さんの入社動機はそれに関連するものだったのでしょうか。店舗のパートナー(従業員)の皆さんが、サポートセンター(本社)の方よりも環境意識が高いこともあるとお聞きしました。

スターバックス コーヒー 鎌倉御成町店 ストアマネージャー 伊藤真也氏(以下、敬称略):店舗パートナーの多くは、循環型社会、環境に関することに関心もありますが、まずはブランドへの憧れや、雰囲気に惹かれて入社していると思います。

大山:では、スターバックスの環境への取り組みに関しては、いつ頃からどういうきっかけで意識し始めたんでしょうか。

伊藤:店舗では、忙しい仕事の中、大量に出るミルクパックを毎日洗うんですよ。それを回収する業者さんも毎日来るんですね。この量を毎日、どんなに忙しくても洗うんだなと、アルバイトを始めてまずはそれに驚きました。

スターバックス コーヒー 都筑パーキングエリア(上り線)店 ストアマネージャー 鈴木浩美氏(以下、敬称略):私も、入社してから店舗で使われている資材の多くがリサイクル素材だったり、木のマドラーが間伐材だったりするのを聞いてスターバックスの取り組みを知りました。大学の専攻分野が近かったのもあって共感し、自分にできることをやっていきたいなと考えるようになりました。

スターバックス コーヒー ラゾーナ川崎店 ストアマネージャー 鎌田有実氏(以下、敬称略):入社2年目に、コーヒー豆カスのリサイクルが始まったんです。その取り組みが第2回食品産業もったいない大賞で「農林水産大臣賞」を受賞して、その後店舗で実際の取り組みをすることになった時に、日頃やっていることがこんな形で評価され、再利用されていくのだなと、身近に感じることができました。スターバックスでの仕事へのオーナーシップが高まったので、それが大きなきっかけだったと思います。

大山:店舗での仕事の中で、環境に関して意識が向くようなことがたくさんあって、自然に意識変容が起こっているのですね。それ以外には、研修などの学びの場は用意されているのでしょうか。

伊藤:アルバイトのパートナーが店舗に入ると、必ずストアマネージャーが研修を行います。その中でスターバックスの歴史を踏まえて環境への取り組みや、なぜそれをやっているのかを合わせて伝えています。パートナーに責任を持たせて自由にやってもらうので、ちゃんとストアマネージャーの温度で伝えていくのが必要なのだろうと感じています。それに加えて日々のコミュニケーションでも気づきはあると思います。

鈴木:研修を受けても、即座に行動の変化が起こせるとは限りません。例えば休憩時間中にいつもストローを使って飲み物を飲んでいるパートナーがいたら、リユースできるステンレスストローを置いておくことで気づいてもらえるようにしたこともあります。言葉で「それは絶対にダメ」と伝えるのではなく、「こういう選択肢もあるよ」と見せていくことで、少しずつ変化していけるといいなと考えています。

伊藤真也スターバックス コーヒー 鎌倉御成町店 ストアマネージャー 伊藤真也氏

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