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なぜ課題解決視点の新規事業はコモディティ化するのか──未来視点で新規事業を考える「問いの定義」とは

第7回:WHITE流シナリオプランニング【後編】

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「重要な要因」と「二極化した未来」を掛け合わせ、新しい4つの世界を創造する

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 次は「言語化する」のプロセスです。4つの重要な要因の氷山図が完成したら、新しい前提条件となる未来を創造していきます。

4-1. 4つの世界の創造と選択

 まず、重要な要因と「二極化した未来」を掛け合わせて、新しい4つの世界を創造していきます。作成した、どの「二極化した未来」を掛け合わせるのかを検討します。お互いに相関性や類似性がない未来を掛け合わせたほうがユニークな世界を創造できると思います。「二極化した未来」を選択したら、縦横の軸にそれぞれの未来を記入し、掛け合わせることで新しい4つの世界が創造できます。

 世界の創造がうまくいかない場合は、軸に記入する言葉を意味が大きく変わらない範囲で変更してください。画像8の例では、横軸は当初「AIによる意思決定」「ヒトによる意思決定」でしたが「ヒト」の意味が曖昧であったため「第三者による意思決定」に変更しています。それでもうまくいかない場合は「二極化した未来」の選択を変更して再検討していきます。

 4つの世界が創造できたら具体的な特徴を検討していきます。考えやすい世界から、世界を一言で表現する仮タイトルをつけ概要を考えてみましょう。この段階のタイトルはあくまで「仮」なのでこだわる必要はありません。縦軸と横軸を掛け合わせて直感的に浮かんだ言葉を仮タイトルにします。概要は「その世界全体の大きな特徴」「生活している人々の価値観・行動の変化」「検討市場の状況」の3点を意識して、現在とは大きく異なる点を中心に記入していきます。この作業を4つの世界ごとに実施します。

 もし、4つ作成していく上で世界が類似してしまう場合は、氷山図の全体を世界に再現するのではなく、焦点をあてる要因を世界ごとに変更して想像を拡げていくとユニークな4つの世界が創造できると思います。また、独自性の高い「問いの定義」につなげるため、意識的にジャンプさせた世界をひとつ作成してみるのもよいでしょう。下記図では「AIによる意思決定」側で、左上の世界では「スマートフォームプラットフォーム」、左下の世界ではジャンプさせた「バーチャル・ビューティ」を中心に概要を検討することで、ユニークな世界を創造しています。すべての世界が創造されたら、一言で表現できるタイトルを再度検討します。4つの世界を比較してより独自性が際立つように意識してみましょう。

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この記事の著者

小池 祐介(コイケ ユウスケ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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