アクセンチュアが示す、2020年以降の“5つのテクノロジートレンド”とは?
アクセンチュアは2月12日に、今後3年間でビジネスに大きな影響をもたらすテクノロジートレンドを予測した年次調査レポートの2020年版を公開した。アクセンチュアがこの年次レポートを公開し始めてから20周年で、150のトレンドを分析してきたという。
最初にドーアティ氏は、2013年からのビジョンを振り返る。2013年から2015年までは「ビジネスのデジタル化」に着目、2016年から2018年にかけてはDX(デジタルトランスフォーメーション)に加え、テクノロジーが“ひと”に対してどのようなインパクトを与えるかもトピックとして扱ってきた。2019年には「ポストデジタル時代の到来」として、企業が他社と差別化するためにデジタル“以外”で何をしなければならないかを取り上げた。
2020年のテクノロジービジョンでは、“価値”と“価値観”が大切になると話す。リサーチでは10%の企業がテクノロジーの“価値”を最大限に活用していることがわかった。そして、それらの企業は、他の企業よりも2倍の速度で売り上げを伸ばしているというのだ。また、デジタル時代には消費者に近いところでテクノロジーが活用される。そのときに個人や社会の“価値観”をどのように尊重するのかが大切になる。Society 5.0でもあるように、人々の価値観を変えさせるのではなく、どうやって合わせていくかが重要になるというのだ。
企業は、消費者がテクノロジーに対して否定的な反応をする「テッククラッシュ」の危機に直面している。顔認証技術の活用について話題となったように、人々の考えと、企業が展開するテクノロジーの間で衝突があるというのだ。デジタルサービスを展開するすべての業界でこれが大切となってくる。そこで“信頼”が不可欠となる。ポストデジタル時代において、“信頼”を獲得することが、企業が競争力を持つことに繋がるのだ。
これらを踏まえてドーアティ氏は、アクセンチュアが発表した2020年のテクノロジートレンドとして、以下の5つを挙げた。
- 体験の中の「私」──一人ひとりに合わせて選択肢を提供する
- AIと私──人間とAIの協働を通じて、ビジネスのあり方を再創造する
- スマート・シングスのジレンマ──ベータ版に伴う足かせを取り除く
- 解き放たれるロボット──企業の対応範囲と責任を広げる
- イノベーションのDNA──継続的なイノベーションのエンジンを生み出す