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組織の創造性を生み出す「CCM理論」──ボトムアップ型で実現する両利きの経営とは?

ゲスト 株式会社ミミクリデザイン 安斎 勇樹氏、株式会社ドングリ ミナベ トモミ氏【前編】

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“コンサルが去った後”でも自走できる組織をいかに作るのか

──お二人がそれぞれ代表を務める、ミミクリデザインとドングリはこの3月に資本業務提携をされました。この提携で目指すのは、企業や組織のイノベーション支援だそうですね。具体的にはどんなことをされていくのでしょうか。

安斎 勇樹氏(株式会社ミミクリデザイン CEO/株式会社ドングリ CCO、以降敬称略):イノベーションが生み出されなくなっている理由には、短期的な思考で物事を考えすぎたり、成果主義になったりと様々な要因が考えられますが、僕らはそれを「組織の創造性が根本的に欠如しているからだ」と考えています。その立て直しを支援していきたいと思っています。

ミナベ トモミ氏(株式会社ドングリ CEO/株式会社ミミクリデザイン COO、以降敬称略):企業がコンサルティングを依頼するのは、経営状態が悪かったり、組織変革をしたりというタイミングですが、コンサルタントが関わる期間はほとんどの場合半年から2年です。コンサル畑で十数年仕事をしての実感ですが、コンサルが入っている期間は非常にうまくいっても、数年後にはうまくいかなくなることは多いんです。

 その原因は、トップダウンで管理して経営や組織変革を行うと一時的には成果が上がるけれど、ボトムアップで自走するという組織の力、いわば“組織の見えない資産”を目減りさせてしまうからだと考えています。

 コンサルティングを依頼してくださるような企業には資産があるので、本来なら中長期で成長できるように根本的な改善をしていくことができるはずです。短期的な経営課題を解決する一方で、中長期の事業発展をするために、組織の創造性を高める必要があると考えているのです。

安斎:もちろん「組織の創造性が重要だ」ということに異論を唱える人はいません。しかし、「組織の創造性」と聞いて想像するものは、人によって違うのではないでしょうか。個々人の能力の問題と捉える人もいれば、チームのコラボレーションの問題だと捉える人もいます。しかし実際には、「組織の創造性」は「個人」「チーム」「組織」の3つの階層でそれぞれ考える必要があるんですよね。

 そこで、この3つの階層の創造性が高度に成立するような、「組織がイノベーションを生み出す、豊かな土壌になっている状態」を考え、定義しました。それが「Creative Cultivation Model」(以降、CCM)です。個人とチームの創造性を生かすワークショップデザイン・ファシリテーションを基盤に、組織イノベーションの関連理論を統合することによって開発しました。

 両社の強みを生かし、クライアント組織におけるCCMを実現して、イノベーションの推進と中長期的な事業発展に伴走したいと考えています。

安斎勇樹安斎 勇樹氏(株式会社ミミクリデザイン CEO/株式会社ドングリ CCO)
1985年生まれ。東京都出身。私立武蔵高校、東京大学工学部卒業、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。商品開発、人材育成、地域活性化などの産学連携プロジェクトに多数取り組みながら、多様なメンバーのコラボレーションを促進し、創造性を引き出すワークショップデザインとファシリテーションの方法論について研究している。東京大学大学院 情報学環 特任助教 。主な著書に『ワークショップデザイン論-創ることで学ぶ』(共著・慶応義塾大学出版会)、『協創の場のデザイン-ワークショップで企業と地域が変わる』(藝術学舎)がある。

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