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4つの死因から紐解くコミュニティ継続の秘訣──freeeのファンコミュニティが失敗から学んだこと

 多くの企業が自社サービスのユーザーを集めたコミュニティを運営するようになったが、コミュニティを継続させていくうえで多くの落とし穴がある。4月14日には、CMC_Meetup(Community Marketing Community)がオンラインイベント「CMC_Meetup Vol.16『コミュニティの失敗談~やってはいけない落とし穴~』」を開催。「コミュニティ『4つの死因』」をnote上で公開し話題となった高橋龍征氏や、クラウド会計ソフトfreeeの会計人コミュニティ「freee"マジカチ"meetup!」で東京のコミュニティリーダーを務めるアカウンティングサポートの矢野裕紀氏が登壇し、コミュニティ運営の失敗と改善を語った。

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[取材・構成] 梶川 元貴(Biz/Zine編集部)

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プライベートだけでなく、ビジネスコミュニティでも見られる4つの“死因”とは?

 13年にわたり複数のコミュニティを主催してきた高橋氏は、「目的がある」「目的に基づく“軸”がある」「参加者が繋がり、活動が継続する」「場と貢献者の互恵関係が成り立つ」ものがコミュニティだと定義した。これはビジネス上のゴールが設定される「コミュニティマーケティング」と、それがない「プライベートのコミュニティ」のどちらにも共通するコミュニティの本質なのだという。コミュニティの多くが、立ち上げから2~3年経過してくると、マンネリ化や運営の疲弊などで“死”に向かっているのだという。多くの“死”を見てきた高橋氏は、それを「がん」「心停止」「老衰」「脳死」と人間の病に例えられると話す。これらの死因から逆算することで、コミュニティを健全に継続することができるというのだ。

がん

 高橋氏は、コミュニティの死因で「がん」が一番多いと話す。コミュニティの目的にそぐわない参加者が増えることで、場に貢献する参加者の熱量が下がり、コミュニティ全体の活動が低下してしまうのだという。この原因の一つとして、運営が参加者数を増やすことを目的としてしまうことが挙げられる。たとえば、ユーザーの声を集めることを目的としたコミュニティにも関わらず、参加者数を追求して、フィードバックのない人まで集めてしまっているケースがある。コミュニティの目的にそぐわない人が集まることで、場の熱量が下がり、本来望んでいた参加者たちが離れてしまう。それを防ぐためには、明確な“目的”、“軸”を明示すべきだと高橋氏は話す。目的を言語化し、活動の軸を定め、それを初期の段階から行動で示していくことで、コミュニティにふさわしい人物像と振る舞いのコンセンサスをつくりあげることができるのだという。

心停止

 次に多くみられるのが、主催者の心が折れる「心停止」だ。心が折れるとは、コミュニティ運営の推進力となる主催者の動機よりも、運営の負荷が上回ったとき、心停止が起きるのだという。コミュニティ運営では時に人間関係の問題が発生するため、主催者は心身ともに消耗することが多い。場合によっては、「信用と時間を使って運営しているのに……」と感じて心が折れてしまうのだ。

 高橋氏は、なぜコミュニティを運営したいのか、何を実現したいのかを自分に問うことが大切だと話す。それは「仕事だから」といった動機だけでなく、自分の内側にある動機まで掘り下げることが大切なのだという。内的な動機と場の趣旨を整合させることで、主催者は、折れることなくコミュニティを継続させることができるのだと語る。

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