連載・コラム X-Techスタートアップの最先端

世界的に急成長する「ビジネス・スペンド・マネジメント」領域で注目される日本のスタートアップ

 Coral Capitalは、7月9日に「コロナ禍の企業を支援するコスト削減スタートアップ」と題したWebセミナーを開催した。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの企業は業績悪化や収益減少に直面しており、コスト削減への取り組みが急務となっている。そんな中開催された今回のセミナーでは、Coral Capitalパートナー兼編集長の西村賢氏が、企業のコスト削減を支援する海外スタートアップのトレンドを紹介。また、日本でコスト削減を支援している株式会社KOSKAの曽根健一朗氏と株式会社Leaner Technologiesの大平裕介氏が、Withコロナ時代における企業のコスト削減について語った。

[公開日]

[講演者] 大平 裕介 曽根 健一朗 ジェームズ・ライニー 西村 賢 [取材・構成] 梶川 元貴(Biz/Zine編集部)

[タグ] コスト削減 Withコロナ ビジネス・スペンド・マネジメント

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年率10%超で成長を続けるBSM市場

 最初に、Coral Capitalパートナー兼編集長の西村賢氏が登壇し、コスト削減の市場とグローバルでのトレンドを紹介した。

 コスト削減、いわゆる「ビジネス・スペンド・マネジメント(BSM)」自体は数十年前から存在している領域だ。企業は自社のデータセンターやサーバーにERPやCRMなど様々なビジネスアプリケーションを導入し、予算管理や戦略分析、在庫管理を行ってきた。2010年代になり、この領域に2つの大きな変化が訪れた。1つはSaaSの流行、もう1つはIoTの登場だ。これらによって、より多くのデータがリアルタイムでクラウドに蓄積されるようになった。そこで、膨大なデータを迅速に処理し、的確なコスト削減に繋げることを目指すスタートアップが出てきたのだという。

 BSMの市場は拡大することが予測されており、2018年には70億ドルだが、年率10%超で成長していき、2027年には170億ドルを超える市場規模になるというのだ。導入までのリードタイムが長く価格も非常に高価だったERPが、クラウド化やSaaSの急成長により、大企業から中小企業まで様々な企業が導入することができるようになった。BSMはそのような段階なので、これからの伸びしろが大きいのだ。

 西村氏は、SaaSやIoT、AIの活用で世界的に注目されているBSM領域のスタートアップを9社取り上げた。

  • Ivalua:クラウドベースの調達支出管理プラットフォームを提供
  • Infor:クラウドERPを提供する。Koch Industriesに$13Bで買収された元ユニコーン企業
  • Tulip Interfaces:MITからスピンアウトした工場の稼働状況の分析サービスを提供
  • C3IoT:IoTによるデータ収集とAIによるビッグデータ解析ソフトウェアを提供
  • Samsara:輸送、ロジスティクス、製造に渡ってIoTによるデータ収集・分析管理サービスを提供
  • Apptio:IT投資の分析、計画、最適化を一元管理するサービスを提供
  • Zylo:自社で使用しているSaaSの契約やコストを管理・分析するSaaSを提供
  • Appzen:AIによる経費自動チェックシステムを提供
  • Coupa:従業員のあらゆる支出を一元管理するプラットフォームを提供

 また、国内の注目スタートアップとして、IoTを駆使して数値化・分析することで製造現場の原価削減を支援するKOSKAと、企業のあらゆる間接費をクラウドで一見管理することで、費用の削減を支援するLeaner Technologiesを紹介。KOSKAの曽根健一朗氏とLeaner Technologiesの大平裕介氏が登壇し、Coral Capital創業パートナー兼CEOのJames Riney氏をモデレーターに、Withコロナ時代の日本企業のコスト削減についてパネルディスカッションを行った。

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