自社が目指すべき「DXのレベル」、立ちはだかる「3つの壁」
そうした問題を解決するためには、目指すべきDXのレベルに対して自社がどこまでできているのか、DX環境整備の成熟度を正しく認識する必要がある。
このレベルに合わせて、前出のガートナーの調査結果をプロットすると、下記の図の青い棒グラフになる。国内企業の3/4以上がレベル1からレベル3の間にあり、DX環境整備のため何らかの取り組みをはじめているが、あくまで部分的・一過性で、成果を実感できていないことがわかる。
さらに「データの利活用でビジネス成果を得られているとする企業」をオレンジ色でプロットすると、DXに取り組みデータ活用で成果を出すまでに至った企業がいかに少ないかわかるだろう。
この理由について、守安氏は「それぞれのステップにおいて、立ちはだかる壁が3つある」という。そして、「ガートナーの上層部は『85%のビッグデータプロジェクトが失敗に終わる』というが、この壁は決して超えられないものではない。的確な対処で着実に乗り越えていくことができる」と語った。
その壁とは「データの収集と可視化の自動化」「アクションにつながるダッシュボードの設計」「データ活用意識が低い人への定着」の3つだ。なお、そもそもの発端に「壁でない壁」として「なぜデジタル化を推進しなければならないのか、わからない」というものがあるが、それは乗り越えたという前提とする。