アルサーガパートナーズは、全国の企業で働くビジネスパーソン9,244名を対象に、業務での生成AIの活用実態に関する調査を実施した。
同調査では、生成AIの活用率や活用範囲、使用頻度、利用ツールなどについて網羅的に調査を行い、業界ごとの活用状況の違いや傾向を明らかにした。

活用率
全体活用率:業務における生成AIの活用は、まだ3割未満にとどまる
同調査で「業務で生成AIを活用している」と回答した人は全体の29.3%にとどまり、「活用していない」と回答した人は59.1%と、約2倍の割合となった。

業界別活用率:「情報通信」が最も高い活用率、次いで「小売」
業界別に見ると、生成AIの活用が最も進んでいるのは「情報通信」業界で、65.6%の人が「業務で活用している」と回答。この業界で「活用していない」と回答した割合は21.9%にとどまり、“非活用層”が少数派となった。
次いで活用が進んでいたのは「小売」業界で、48.5%が業務で生成AIを活用していると回答。「活用していない」は38.4%と、こちらも活用派が非活用派を上回る結果となった。また、「サービス業(43.1%)」「金融・保険(38.8%)」でも、活用している人と活用していない人の割合がほぼ拮抗している。
一方で、「教育(学校関係者)」「製造」「エネルギー」などの業界では、活用率はいずれも30%前後にとどまり、まだ過半数が「活用していない」と回答。

活用頻度
全体活用頻度:生成AIを業務で活用している人の約75%は週1日以上利用
「業務で生成AIを活用している」と回答した人に対し活用頻度を尋ねたところ、週に1回以上の頻度で生成AIを活用している人は全体の約74.8%で、業務への高頻度な定着が進んでいることが明らかになった。

活用範囲
全体活用範囲:文章生成から議事録まで、多岐にわたる用途で利用
生成AIを業務で活用している人に対して、その用途を複数回答で尋ねた(単位:回答率のpt)ところ、選択肢として提示したほとんどの業務が20ptを超え、生成AIの活用範囲が非常に幅広いことが明らかになった。

業界別活用範囲:業界別でも「文章生成」が主用途
生成AIの活用範囲について業界別に見たところ、どの業界でも「文章生成」が最も高い水準で活用されており、生成AIが文章作成業務と非常に親和性の高いツールであることがわかった。
特に「教育(学校関係者)」「教育(学校以外)」「公共・行政」では、「文章生成」のスコアがいずれも50ptを超え、文書業務の多い業種ほど生成AIの導入効果が実感されやすいことがうかがえる。
一方で、やや特徴的な傾向を見せたのが「情報通信」業界。最も活用されていたのは「アイデア出し」(57.1pt)で、次いで「資料作成」(52.4pt)という結果となった。

ツール
「業務で使ったことのある生成AIツール」(複数回答)について尋ねたところ、ChatGPTが66.8ptと最も多く、他を大きく引き離す結果となった。次いで多かったのはMicrosoftのCopilot(35.4pt)、GoogleのGemini(28.8pt)、AnthropicのClaude(12.1pt)。

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