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なぜ日本企業のDXは進まないのか──ドーモ守安氏が語る、データ活用の3つの障壁と経営戦略と起業家精神

Biz/Zine Day レポートVol.1:ドーモ株式会社 守安孝多郎氏

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第1の壁:今あるデータの可視化からはじめる

 まず、第1の壁である「データの収集と可視化の自動化」は、実際にデジタル化を推進すべきだと考え、着手しようとすると、「はたして、どこを目指していくべきか」という疑問が湧いてくる。確かに目指す方向がわからなければ、進みようがない。いきなり立ちすくんでしまうわけだが、これに対して守安氏は「まずはデータを集めて可視化してみること」を提案する。

データ活用1つ目の壁

 「方向を定めてからデータを集めるより、まず今手元にあるデータを可視化することで傾向が見え、目指すべき方向が見えてくる。手書きデータやサンプルでも構わないからやってみてほしい。それで第1の壁は乗り越えられるはず」と守安氏は力説する。

 バラバラなデータでも、Domoなら1000以上のコネクタであらゆるクラウドサービスから自動的にデータを収集できる。さらに自動集計や加工といった「データフロー」と呼ばれる処理で、自動的に“分析できるデータ”にすることも可能だ。

Domoの解決アプローチ

第2の壁:ダッシュボードの設計は「伝わること」がカギ

 そして、2つ目の「アクションにつながるダッシュボードの設計」だが、第1の壁を乗り越えて“はじめの一歩”を踏み出したものの、運用について悩む人は少なくない。これについて守安氏は「データの上層部への報告の仕方がカギ」と語る。当然ながらグラフ化が目的ではなく、結果を役立てるためにわかりやすく見せることがポイントというわけだ。

データ活用2つ目の壁

 Domoでは、ビジネス上の質問に答える“ストーリーテリング形式”のダッシュボードが用意されており、わかりやすく、そして印象深く見せることが可能だ。モバイルファーストで設計されており、場所や時間を問わずにデータから様々なことを知ることができる。

 それではどうやって「効果的な=アクションにつながる」ダッシュボードを設計するのか。そのために重要なのが「ストーリーの構成」であり、ゴールとなる「課題」である。

 これを端的に表現したのが、ニュース記事の考え方である「逆三角形のフレームワーク」だ。もっとも重要な情報を目立たせ、補足やその他の詳細などは小さく掲載する。

 ダッシュボードの設計に置き換えると、もっとも重要な「現状はどうか」という概要、そして「何が起きているか」へとブレイクダウンし、「もっとよく理解するため」に細かな調査結果を配置する。

逆三角形のアプローチでダッシュボードを設計

 具体的には、領域ごとにゴールとなるKPIをメインにして詳細情報(カード)を添えるパターンと、全てのKPIをまとめて概要をひと目でわかるように配置し、それぞれ詳細を展開するパターンがある。

 それぞれKPIやカードにはグラフなどが入るが、比較をしたいなら棒グラフや表、トレンドを見せたいなら折れ線グラフや積み上げ面グラフというように、伝えたいデータの種類に適したグラフを使うことが大切だ。また、概要やブレイクダウン、詳細などに適したグラフやチャートを使うことも意識したい。

データの種類に適したグラフ

 なお「データだけくれれば」という上層部がいる場合、そのデータから何を理解したのかブラックボックスになりやすいため、判断を受けてもアクションが取りづらいという弊害がある。ダッシュボードを見てもらうためには、魅力的なストーリーが必要であり、やはりメインが先にくる逆三角形のアプローチが望ましいといえる。

 「逆三角形のアプローチ」はKPIツリーとリンクしており、レイヤーごとに紐付いていることを意識しながら設計する必要がある。概要を踏まえて決裁者が判断したら、それに紐付いて現場や各担当者のアクションが自然と決まるというわけだ。

逆三角形のアプローチはKPIツリーとリンクする

 守安氏は「なかなか2つ目の壁を超えることは難しい。つい可視化することにパワーを割きがちだが、よい報告をアピールするため、人に納得して動いてもらうため、というようにデータの目的からシンプルに考えてみてはどうだろうか」と語った。

第3の壁:改革者のアイデアを組織に伝え共有する

 そして第3の壁であり、守安氏が「もっとも高く難しい壁」と語るのが、「データ活用意識が低い人への定着」だ。これは意識だけでなく、現業が忙しく時間がないという人も含む。そうした人たちにどうやってデータ活用を定着化させるのか。

データ活用3つ目、最大の壁

 守安氏は、成果を出す、イノベーションを創出する組織には「改革者のアイデア」と「改革者を支える組織」の2つが必要だ。しかし、想像以上に改革者のアイデアは組織に伝わりにくい。よくあるのが改革者ばかりが熱心で現場は冷めているケースや、改革者にアイデアがなく現場に“丸投げ”されてしまうケースなどだ。そこで外部のデータ活用エキスパートを利用して、組織への伝達共有を促進することが望ましいという。

 Domoでは、クラウド型BIツール「Domo Business Cloud」を提供しつつ、同時にビジネス、テクニカル、ソリューションのそれぞれの側面からコンサルタントがサポートを行っている。改革者のアイデアづくりにはじまり、組織に的確に伝達し、活用を浸透させるまで、全てのフェーズで「ツールとコンサルタント」の2つのアセットでトータルに支援することが可能だ。

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3つの壁を超えた先にある「データを経営に活かす」経営戦略

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この記事の著者

守安 孝多郎(モリヤス コウタロウ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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