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なぜ新規事業開発で顧客を“敵”とみなしてしまうのか──顧客課題を理解するための“共感”とは?

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 顧客の課題を見つけることが、新規事業開発の第一歩です。誰がどんな悩みを抱えているのかを発見してその悩みを解決することが、新規事業につながるのです。顧客に寄り添うことが基本なのですが、自分の都合を優先して事業を考えてしまい、顧客の課題を後回しにしてしまっているケースが多く見られます。なぜ新規事業開発の基本である「顧客課題の発見」は実践されないのでしょうか。多くの新規事業開発に携わってきた経験から、この理由が見えてきたのでご紹介していきたいと思います。

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なぜ新規事業開発において顧客課題は無視されるのか

 新規事業開発において最初に考えなければならないものは何でしょうか。

 この問いに対して、ほとんどの新規事業専門家は「顧客課題の発見」と答えるでしょう。顧客となる人は“どんな人”で、“どんな課題を持っているのか”がわかれば、それを解決する方法が“商品”になります。「誰のどんな課題」を見定め、それに適した解決方法を、経済合理性をもって提供できれば、規模の大小はあっても、一定の事業として成立します。取り組む顧客課題の対象が少ないものであれば、小さな事業規模にしかなりません。また、多くの顧客が抱える深刻な課題を解決するサービスであったとしても、しっかりした経営者とメンバーがいなければ、事業開発自体が失敗に終わってしまう可能性もゼロではありません。それでも、実在する顧客課題を定義できていれば、事業として進めることができます。

 しかし、顧客課題を定めていなかったり、課題があやふやなまま事業開発を進めたりしてしまうと、ほぼ確実に事業開発は失敗します。この点に反対する新規事業開発の専門家はほぼいないでしょうし、新規事業開発に関する書籍でこの点に言及していないものもほとんどないと思います。

 つまり、外部から情報を得て事業を興そうとしている人は、企業内起業であっても、スタートアップであっても、最初に顧客課題を定義するために徹底的に議論しているはずです。

 しかし、大企業からスタートアップまで様々な企業の新規事業開発を支援してきた私が見てきた限り、顧客課題に関する議論は決して多いとはいえないというのが現実です。顧客の課題よりも、存在するかどうかもわからない「市場規模」や、その時点では誰の役に立つのかわからない「ソリューション」、「資金調達」や「(誰が顧客となるかわからないのに)集客方法」について議論しているケースがほとんどだと感じます。また、マーケットが定まっていない(=競合が誰かわからない)のに競合優位性を議論していたり、企業内起業の場合では、組織内の誰がどう思っているかといった社内の人間関係が話題に上ったりすることも多々あります。

 なぜ、多くの専門家や専門書籍が「重要である」と言っている点を無視した議論が当たり前のように行われているのでしょうか。そして、なぜ誰もそのことについて疑問を抱かないのでしょうか。

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顧客を“アイデアを否定する上司”のように見ている

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この記事の著者

畠山 和也(ハタケヤマ カズヤ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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