「タスク・マイニング」とは、PCの操作ログを入力データとして、個々の従業員が実行する日常業務(タスク)の可視化、分析を行う製品のこと。従業員の生産性や業務分担の偏りを明らかにしたり、RPAによる自動化やシステム化の対象を選定したりといった用途に活用されている。
2019年度のタスク・マイニング市場の売上金額は4億円、2020年度は同15億円、前年度比275.0%増と急速な伸びを予測。2019年度に市場を形成したばかりで市場規模はまだ小さいが、市場認知度は急速に高まっている。
2020年にはコロナ禍での在宅勤務増に伴い、テレワークの業務実態を把握する手段として注目され導入が増加。また、プロセス・マイニングと組み合わせることで、企業のさまざまな部門にまたがる業務プロセスの可視化、最適化の実現も期待できることから、市場は2024年度には75億円、CAGR(2019~2024年度)は79.7%の非常に高い伸びが予測されいてる。
ITRのシニア・アナリストである舘野 真人氏は、以下のように述べている。
「タスク・マイニングは、PC業務に潜む無駄や非効率性を可視化することを目的に登場しましたが、コロナ禍によるテレワーク拡大により、遠隔における従業員の働きぶり全般を把握するためのツールとしても注目されるようになっています。迅速に業務分析を行う手段として有効であるだけに、ユーザー企業には、タスク・マイニングを単なる監視ツールと捉えるのではなく、得られた分析データを業務改善につなげるという前向きな活用を重視することが求められます」