老舗ものづくり企業にある、デザイン組織の3つの課題と戦略
では、NKCのデザイン組織KAIMENと、その発起人である長﨑氏は、佐藤氏の指摘する3つの課題をどのような戦略で乗り越えたのだろうか。
NKCは、ボールベアリングの中核部品である「リテーナー」で世界レベルのシェアを誇る部品メーカーで、近年は新規事業開発にも取り組む企業。創業100年近い伝統企業であり、2017年4月にKAIMENが発足するまで、社内にはデザイン部署さえなかった。そこに、デザイン思考やブランディングデザインを活用することで、企業ビジョンに沿ったデザイン経営を導入する組織として発足したのが、戦略デザイン事業開発室、通称KAIMEN(カイメン)だ。