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北國銀行やフィンテック企業が語る、地方銀行のDXを推進するフィンテックサービス

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 Fintech協会は、「地方銀行のDXを推進するフィンテックサービス」をテーマにした勉強会を9月11日に開催した。協会理事を務めるマネーフォワード執行役員の神田潤一氏の他、ウェルスナビ 代表取締役CEOの柴山和久氏、freee 執行役員 兼 freee finance lab CEOの小村充広氏、ACSiON CSO 兼 事業開発グループマネージャーの竹内 進氏が登壇し、地方銀行のDXを推進するフィンテックサービスを紹介していった。また、実際に地方銀行でDXを推進している事例として、北國銀行 マーケティング部資産運用課の福田雅之氏が、自社の取り組みを語った。

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DX戦略が地方銀行のピンチをチャンスに変える

 最初に、Fintech協会理事の神田潤一氏が、金融DXの現状を紹介した。

 神田氏はまず、2016年と2019年に金融庁が発表した金融行政方針から、金融庁のメッセージを読み解く。2016年度版には「顧客本位」「共通価値の創造」「Fintech」という言葉が出てきており、「利用者を中心とした新時代の金融サービス」と題した2019年度版では、最重要課題として「金融デジタライゼーション戦略の推進」を掲げている。このことから神田氏は、金融デジタライゼーション戦略で顧客本位の金融サービスを提供していきなさい、というメッセージがあるのではないかと推測した。

 では、金融デジタライゼーションとはどのようなものだろうか。2019年に金融庁がまとめた「金融モニタリングにおけるデジタライゼーションの取組状況」では、アナログ情報のデジタル変換や業務効率化を指す「デジタイゼーション」と、データを駆使した付加価値の創造やビジネスモデルの変革を指す「デジタルトランスフォーメーション(金融DX)」に区分している。つまり、デジタルの活用・組織の変革を進めることで新しい価値を提供することが期待されているというのだ。

 次に、新型コロナの影響を整理する。リモートワークやオンライン会議、キャッシュレス決済が普及したり、地域分散社会が見直されるようになったりと、ユーザーの価値観が大きく変化している。多くの企業が、この変化が一過性のものではなく、不可逆的なものだと考えている。神田氏自身、銀行のビジネスで予想していた変化が、コロナ禍でかなり早まった印象だと話す。キャッシュレス比率の高まりや資産運用の相談をロボアドバイザーで行うようになるといった、これまで10~20年後に起きると思っていた変化が、今後3~5年で実現しそうなほどの勢いで変わっているというのだ。

 神田氏は、この変化は地銀にとってピンチかもしれないが、チャンスに変えていく要素でもあるのではないかと話す。

 これまで中央と地方では情報や人材の格差があったが、それを解消できるようになるかもしれない。あるいは、店舗や人員戦略を見直すきっかけにもなる。また、少子高齢化や過疎化といった地域の課題を解決できるかもしれない。変化に対応し、ピンチをチャンスに変える手段がDX戦略で、フィンテック企業などとの協業も含め、ユーザーに支持されるサービスを提供することができるかどうかが、勝ち残る地銀と苦しむ地銀の分かれ道になるとし、地方銀行のDX推進の必要性を語った。

Fintech協会理事 神田潤一氏Fintech協会理事 神田潤一氏

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梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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