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インターシステムズ佐藤氏が事例で語る、データプラットフォーム・アプローチによるサプライチェーン変革

Biz/Zine Day 2020 Autumn レポートVol.1:インターシステムズジャパン株式会社 佐藤比呂志氏

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サプライチェーンを一括管理する“管制塔”の必要性

 COVID-19によるサプライチェーンへの影響には、様々な要因があった。都市封鎖の影響で、諸外国に依存していた供給先から原材料が調達できなくなり、急遽供給先を国内で確保する必要が生じた。マスクなどに関しては需要が爆発し、供給が追いつかないというケースも発生した。一方で、学校給食や飲食産業等からの需要が一気になくなった農家や卸業者などは、大きな在庫を抱えた。加えて人々が外出を控えて、ネットショッピング等に頼るなどと、購買行動が変化して、在庫管理や配達需要に大きな変化を及ぼした。

 こういった急激な変化が、数年前から多くの企業で始まっているデジタルトランスフォメーション(DX)の取り組みに、大きな負荷をかけたと佐藤氏は指摘する。DXによって様々な仕事は効率化された。しかし、サプライチェーンは企業内の様々な部署部門のシステムやそこで働く人々全体に関連するものであり、社外との関係もある。通常時では複数システムが協調できていても、今回のコロナ禍ではほぼ同時期に数カ所で問題が発生してしまったため、DX化によって部分最適化された状況が裏目に出て、サプライチェーンは分断されてしまったのだ。

 こういった危機的状況において求められるのは、環境変化に即応する機敏性(アジリティ)と障害発生後にすぐにリカバリーする回復力(レジリエンス)である。では、どうやったら機敏性や回復力をつけることができるのだろうか。

 佐藤氏は、多くのITアナリストが数年前から、サプライチェーンに“コントロールタワー”の機能を作るべきだと提言してきたことを指摘する。多くの人命を預かる旅客機が飛び、天候や同時に離着陸する飛行機など様々な要因で運行を調整する必要がある空港では、管制塔が重要な役割を担っている。様々な状況を精細に把握し、飛行機に運行指示を出したり、離着陸の許可を出したりして、安全を担保する。こういった管制塔的存在がサプライチェーンにも必要だというのだ。

サプライチェーン・コントロールタワー

 コントロールタワーの役割は、情報を集め、それを可視化し、その情報を正しく理解して判断した上で、臨機応変に正しい行動に素早く導くことである。これはサプライチェーンにおいては簡単なことではない。なぜなら多くの取引先や関連企業との調整が必要になる上に、社内には業務ごとに膨大な種類のアプリケーションがあり、それが日々様々なデータを生み出しているからだ。

次のページ
最適なコントロールタワー機能をもたらす“データプラットフォーム・アプローチ”

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この記事の著者

フェリックス清香(フェリックスサヤカ)

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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