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コーセーと森永製菓の協業事例に学ぶ、大企業が新規事業の壁を突破する方法

Startup JAPAN 2024 秋 セミナーレポート

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 大企業は、新規事業の創出過程で直面する壁をいかに突破すべきか。2024年11月に開催された「Startup JAPAN 2024 秋」では、株式会社コーセー 経営企画部 経営戦略室 事業開発課 針金一平氏、菅井蔵氏と、森永製菓株式会社 新規事業開発部の松井岩城氏が、両社のオープンイノベーションを通じてインナービューティブランド「Nu⁺Rhythm(ニューリズム)」の開発に漕ぎつけた経緯を紹介。その過程で立ちはだかった課題や、それを解決するきっかけとなったポイントについて語り合った。モデレーターは、トヨタ自動車から出向中で、株式会社ユニッジ Co-CEO 兼 株式会社アルファドライブ 東海拠点長の土井雄介氏が務めた。

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通常のプロセスよりも約1年早く商品化

 「本セッションは、新規事業の起案者だけではなく、社内での仕組みづくりに携わっている事務局の担当者、および協業先の担当者も登壇していることに特徴がある」と切り出したのは、アルファドライブ 東海拠点長 兼 ユニッジ Co-CEOの土井雄介氏だ。土井氏は、新卒でトヨタ自動車に入社後、トヨタ自動車での事業創出の仕組みづくりに携わり、現在はアルファドライブで他社の社内新規事業開発の支援を、ユニッジで他社のオープンイノベーション・協業の支援を行っている。その土井氏によれば、前出の三者の視点が揃うことで、新規事業の創出における全体像が掴みやすいという。

 では、今回取り上げるコーセーの新規事業、インナービューティブランド「Nu⁺Rhythm(ニューリズム)」の開発に、三者はどのように関わったのか。

 まず出発点となったのは、コーセーで新規事業の仕組みづくりを担当する針金一平氏だ。新卒でコーセーに入社した針金氏は、健康食品・化粧品通販会社や農業ITベンチャーでの勤務を経て、コーセーに復職。新規事業創設プログラム「LINK」の責任者に就任し、同プログラムの設計や通過案件の起案者に対する伴走支援を開始した。

 そのLINKに、菅井蔵氏が企画を持ち込んだことから、今回の事業創出プロセスが本格的にスタートした。菅井氏は、総合小売業や都市銀行などで多様なキャリアを重ねた後、コーセーコスメポートに入社。その後、化粧品の枠を超えたインナービューティ領域に注目して起案した美容プロテインの企画がLINKで採択され、事業化に着手することになった。

 そして、同プロテインの開発過程で協業した先が森永製菓だった。同社の松井岩城氏は、営業やマーケティング、通販事業、海外事業といった様々な部署を経て新規事業の職務に就き、現在は原料販売の窓口として国内外を奔走している。今回は、松井氏がコーセーから打診を受け、森永製菓が開発した独自素材「パセノール™」の提供に向けて動いたことで、同プロテインの商品化が実現した。

 針金氏曰く、「当初は、案件を事業化するための仕組みが社内になかった」というコーセー。それにもかかわらず、通常よりも約1年早く、ニューリズムの商品化に漕ぎつけた。確実かつスピーディーに事業を軌道に乗せられたのは、一体なぜなのか。

株式会社コーセー 経営企画部 経営戦略室 事業開発課 針金一平氏
株式会社コーセー 経営企画部 経営戦略室 事業開発課 針金一平氏

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予算配分や人員配置の仕組みづくりで事業化につなげる

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この記事の著者

山田 奈緒美(ヤマダ ナオミ)

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