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デザインリサーチとは何か

デザイナーやデザインリサーチャーとは「機会発見者」であり、「語り部」かつ「意思決定者」である

第3回

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 デザインリサーチに関する連載として、第1回ではイノベーションのキードライバーとなるデザインの役割やそのなかでのデザインリサーチの位置づけを、第2回ではプロダクトデザインとは何か、その対象の広がりなどを解説した。今回は、デザインリサーチャーが現代において求められている役割を「オポチュニティファインダー」「ストーリーテラー」「ディシジョンパートナー」とし、それぞれに関して解説する。

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デジタル時代のデザイナーに求められる役割とは

 急速にデジタル化が進む社会のなかで企業や行政がイノベーションを創出し続けるために、デザイン、そしてデザイナーが重要な役割を果たすことが期待されている。では、これからデザイナーに求められる役割とはどのようなものだろうか。

 デザイナー、特にプロダクトをデザインする専門家であるプロダクトデザイナーの仕事は「プロダクトの見た目を整えること」であると認識されがちである。もちろんこれは間違いないし、デザイナーが果たすべき重要な仕事のひとつであろう。しかしデザイナーは、プロダクトの見た目を整えるだけではなく、人々にとって価値のあるプロダクトが何かを考え、それをどのように実現すればよいかを検討し、そのうえでプロダクトの見た目を整えているのである。

 改めて説明するまでもないことであるが、テクノロジーの進化とともにプロダクトは複雑化の一途を辿っている。19世紀におけるプロダクトといえば机や椅子などの家具、食器、織物などが中心であったが、20世紀初頭には自動車やカメラのようなプロダクトが生まれ、20世紀終盤にはデジタルテクノロジーが台頭している。機械に多少興味がある人であれば自動車が走る仕組みを説明することはなんとかできるかもしれないが、コンピューターのなかでアプリケーションが実行され、サーバーと通信する仕組みを正しく説明することはソフトウェアエンジニアでも難しいかもしれない。

 プロダクトが複雑になるにつれ、良いプロダクトの定義が変わりつつある。前述した家具や食器のようなプロダクトは、どのような素材を使い、どのような加工法を用い、どのような大きさ、形、色であるかによってプロダクトが評価されてきた。しかし、現代のプロダクト、例えば電気自動車のTeslaやスマートフォンのiPhone、フードデリバリーサービスのUber Eatsのようなプロダクトを、見た目に関する項目のみで評価するのは適切ではないだろう。

 もちろん今でもプロダクトの見た目が重要であることは述べるまでもない(いくら機能が優れていても醜悪な見た目の自動車やスマホアプリを喜んで使う人は少ないだろう)。しかし、そのプロダクトを使う人々、あるいはそのプロダクトに関わる人々に対して、どのような価値を、どのような手法で提供するか、言い換えればどのような体験をデザインするか。これこそが現在のプロダクトデザインでは重要な評価項目となっている。

 つまりデザイナーにとってプロダクトの見た目を整えることは依然として重要であるが、人々にとって価値のあるプロダクトが何かを考え、それをどのように実現すればよいかを検討することの重要性が、飛躍的に高まっているのである。そして、この領域に特化した専門家が、本連載のテーマでもあるデザインリサーチャーである。

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この記事の著者

木浦 幹雄(キウラ ミキオ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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