銀行そのものをデジタルで変革するための7つのポイント
現在の同行のシステムは、個人・法人のデジタルバンクと勘定系を核とし、営業点端末やATMなどのシステムがすべてクラウド化されている状態だ。そこで、様々なシステム全体のデータをデータレイクに整備してデータウェアハウスに格納し、2021年9月より本格的にデータの利活用を行っていくという。新谷氏は「クラウド上に実装することでデータ活用も容易になり、オープンデータや外部データをデータレイクに取り込むことも簡単になる」と語った。また、顧客情報のポータルであるCRMもクラウド化を進め、こちらも2021年9月に本格稼働の予定だという。勘定系とはもちろん、データレイクやデータウェアハウスともオンライン連携を行っていく。
そして、その先に目指すのが、「地域を巻き込んだデータ連携のシステム構築」だ。同行のクラウドシステムの販売権をITパートナーに無償提供し、様々な協業を行いながら新しい挑戦を続け、さらには「価値観と戦略を共有する中小金融機関」に展開することを目指すという。こうした将来ビジョンに対し、新谷氏は「『システムありき』、ではなく『戦略ありき』。両者がかみ合って始めて効果が出ることを考えれば、戦略にあったシステムの導入は必然」と言い切り、「一部を除き、15年かけてほぼすべてをクラウドに実装してきた。このレベルの改革であれば、3〜5年で可能なはず」と語った。