ソニーに学ぶ、日本企業の勝ち筋
山本:ソニーも然りです。創業者の盛田昭夫さんは設立趣意書において、「自由闊達にして愉快なる理想工場」と自社を定義したのですが、現在の(取締役 代表執行役 会長 兼)社長 CEOの吉田 憲一郎氏は、それをいまに直すと何になるかと考えた。そこから生まれたのが「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というパーパスです。
そして、そのさきにあるのがグループ会社化という選択。たとえば、ソニーの持つ技術の1つに、高精度のカメラセンサーがあります。その技術を使ったことが、ミラーレスカメラでトップに立ったことの大きな要因にもなっているわけですが、それだけではこのパーパスを果たすには不十分。そこで、この高精度のセンサーを自動運転に活用できないか、そのように考えて打ち出されたのが3月にも一般公開される「VISION-S」[5]というコンセプトカーです。このように、ソニーは新たなパーパスの下、グループ会社化したことで、グループ全体でどういった革新的なことができるのかと考えられる組織になった、と言われています。