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NTTデータ山口重樹氏が語る、デジタル社会を実現するための“ソーシャルデザイン”

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 NTTデータは、2021年1月28日に「NTT DATA Innovation Conference 2021」を開催した。今回は、株式会社NTTデータ代表取締役副社長執行役員 山口重樹氏による「つながりがスマート化する社会を実現するソーシャルデザイン」と題した講演の様子をご紹介する。デジタルによって社会がどのように変わるのか、また未来のデジタル社会を実現するために必要なソーシャルデザインとはどのようなものだろうか。

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“足し算”と“掛け算”2つのデジタルが創り出すメカニズム

 「ソーシャルデザイン=社会システムのビジョンを描く」ことについて、日本資本主義の父・渋沢栄一は、事業においては道徳と経済を両立しなければいけないという「道徳経済合一説」を説いている。山口氏は、これを「安心して快適に充実した暮らしができる社会を、経済活動を通して実現すること」だと解釈し、目指すべき社会のビジョンに掲げている。さらにそのような社会は、“Trust=お互いが信頼できる社会”“Open=多様な考え方が共存できる社会”“Innovative=絶えず学び続け発展する社会”という3つが揃った上で成り立つと語る。

 近年、政府でもデジタル庁の設置が計画されるなど、官民問わずデジタルガバメントやデジタルソサエティの実現を目指す動きが活発化している。その中でNTTデータは、個人、企業、行政のつながりがスマート化すると考え、デジタルが実現する新しい社会を「スマートコネクティッドソサエティ」と命名。デジタルの発展がもたらした新たなメカニズムとつながりの変化、そして目指すべき社会の実現のために何をすべきかをNTTデータの取り組みを交えて山口氏は説明する。

 これまでのデジタル化の進展を見ていくと、ECやRPAなどフィジカルの世界にデジタルを追加する“足し算のデジタル”により、フィジカルの効率化や改善が可能になった。そしてこれからのデジタル化は、足し算のデジタルの上に、フィジカルとデジタルを掛け合わせることでフィジカルの世界全体を変えて新たな価値を生み出す“掛け算のデジタル”が加わるのだという。

 センサーや5Gといった技術の進展であらゆるモノがつながるなど、新たな世界が実現されつつある中、2023年には日本では1人あたり11台のデバイスが接続されるとの予測がある。接続デバイス拡大事例の1つとして、NTTグループでは2018年からトヨタ自動車とコネクティッドカー向けICT基盤の共同研究開発が進行中だ。車に取り付けた複数のセンサーをネットワークで接続してICT基盤で分析し、車へ配信することで事故・障害物・渋滞予測の通知などの情報を活用でき、安全かつスムーズな運転が可能になる。

 スマートコネクティッドソサエティの実現には、新たなメカニズムを活用したデジタル化が必要となる。下記の2つの図は、足し算のデジタルと掛け算のデジタルのメカニズムが需要者と供給者のベネフィットやコスト構造にどう影響を及ぼすのかを図式化したものだ。

デジタルが創りだす新たなメカニズム(足し算のデジタル)

デジタルが創りだす新たなメカニズム(掛け算のデジタル)

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この記事の著者

比惠島 由理子(ヒエジマ ユリコ)

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