このレポートでは、代表的な第四次産業革命(4IR)テクノロジーである人工知能(AI)、モビリティ(自動運転車を含む)、ドローン、ブロックチェーン、IoT(Internet of Things)のガバナンスの課題に着目し、これらの5つのテクノロジーに共通した8つのガバナンスギャップを提示している。その上で、こうしたギャップの緩和・解消に向けて積極的に活用すべきテクノロジーガバナンスの方向性を、6つの革新的なガバナンスの枠組みとして提示している。
デロイト トーマツ グループ パートナー 森 正弥氏は「4IRテクノロジー活用のポテンシャルは非常に大きい一方、同時にその進化が速く、用いるデータに機微な情報も多い等から課題も複雑化する傾向にあります。レポート内でまとめられている、6つの革新的なガバナンスの枠組み等も用い、4IRテクノロジーのもたらす価値を最大化してイノベーションを促進することが今後重要になるでしょう。規制や標準化の動向を踏まえ、非倫理的な利用のリスクを軽減するため、官民の連携強化は必要不可欠です。ただし、単に厳格な管理をするだけのガバナンスでは、技術活用に必要以上のダメ出しを行い、かえって革新の機運を萎縮させてしまいかねません。守りのガバナンスではない、産業や官民をまたがる幅広い視点を持ち、4IRテクノロジー適用を推進できる『攻めのガバナンス体制』を築いていくことが、変革の成否を握っています」とコメントしている。