Gerson Lehrman Group(GLG)は2026年3月10日、「エージェント型AI 実践プレイブック:AIの価値創造を再定義する100名のリーダーからの戦略的インサイト」を発表した。本レポートは、世界各国のエージェント型AI導入・管理を担当するシニアビジネスリーダー100名を対象に、2025年10月にインターネット調査を実施しまとめられたものだ。
エージェント型AIは自律的な意思決定を行い、ビジネスモデルの変革を促進するテクノロジーとして注目を集めている。しかし調査の結果では、多くの組織がそのポテンシャルを認識しつつも、実際の活用は業務効率化や生産性向上という限定的な範囲に留まっている現状が明らかとなった。
主な調査結果は以下の通りである。
まず、回答企業の46%が、少なくとも1つ以上のエージェント型AIソリューションを実務において運用中であり、過半数の企業がいまだパイロット導入もしくは検討段階である。導入における最大の懸念は「誤ったアウトプットや意思決定」で、71%のリーダーがリスクを指摘している。
導入成功の要因については、「プロセスの明確化」「適切なデータによるモデル学習」「戦略的ガイダンス」が上位3項目となった。テクノロジー選択以上に、基礎となる業務プロセスと運用設計、モデルの信頼性確保が重視されている。
活用領域では、カスタマーサービス分野(運用中および試験運用中が全体の85%)、IT・開発分野(同72%)での利用が多い。一方、非技術系部門がIT部門の支援なしにAIエージェントを構築できるスキルを持つ割合は26%にとどまっており、全体の74%が何らかの技術的サポートを必要としていることがわかった。
さらに、エージェント型AIが完全導入された場合の未来像として、58%のリーダーが「組織の注力領域が大きく変化する」と回答している。しかし、ビジネスモデルそのものの刷新を見据えるリーダーは11%にとどまるなど、真の変革へ移行する難しさも示された。
GLG東京オフィス代表の橋本勇人氏は、「エージェント型AIはオペレーションの効率化にとどまらず、ビジネスモデルそのものを根本から再定義する可能性を持つが、その価値を享受するには組織全体での戦略的取り組みと明確なビジョンのもと実装することが不可欠だ」とコメントしている。
調査は北米・欧州・中東・アジア・ブラジルのリーダーを対象に実施され、企業変革を担う経営企画部門にとって、エージェント型AI活用の現状および今後の指針がまとめられている。詳細はGLGのウェブサイトでプレイブックが公開されている。
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