DNPは独自の「P&I」(印刷と情報:Printing & Information)の強みである表現技術と安全・安心に大量の情報を処理する能力に、パートナーの強みを掛け合わせて、年齢・性別・言語などによって分け隔てられることなく、リアルとバーチャルの双方を行き来できる新しい体験と経済圏を創出する「XRコミュニケーション事業」を展開していく。この事業の展開にあたっては、2019年に資本業務提携したCのグループ企業である世界とも連携していく。
1.多様性に富む新しい「場」を構築し、誰もが安全・安心に過ごせる快適な空間を提供
地域共創型XRまちづくりPARALLEL CITYを推進するにあたり、DNPは誰もがいつでも簡単に、かつ安全・安心に楽しめる空間の構築に必要な機能を備えたXRロケーションシステム「PARALLEL SITE(パラレルサイト)」を提供する。また、地域創生事業を通じて培ったノウハウやネットワークなどを活かし、「PARALLEL SITE」を活用した地域共創型のバーチャル空間を構築していく。
2.共創による表現の拡張や良質なコンテンツの発信により新たな文化価値を創造
DNPは、アニメ・マンガ・ゲームなどのコンテンツホルダーと協業し、リアルとバーチャル双方の多様な表現手法を使ってコンテンツの魅力を発信する事業を推進していく。また、デジタル処理技術を活用した国内外の美術館・博物館の所蔵作品や有形・無形の文化遺産に関するアーカイブ事業と、それらのデータをさまざまなメディアに展開する事業も推進している。DNPは、これらの良質なコンテンツとXRコミュニケーションを掛け合わせ、生活者が多様な文化に触れて楽しみながら学べる新しい体験価値を創出していく。今後は、地域の空間と連動したイベントなども企画していくという。
3.新しいコミュニケーションにより人と情報の流れを促し、経済を活性化
コロナ禍により非対面・非接触のコミュニケーションが求められるなか、DNPは「企業と生活者」「生活者同士」が安全・安心につながる新しいコミュニケーションサービスを提供する。リアルとバーチャルが連動して買い物が楽しめる「リテールテイメント」や、仮想空間での体験や鑑賞を実現する「バーチャル展示会」などを既に展開しており、これらのサービスと「PARALLEL SITE」で構築した自治体や施設管理者に公認された空間と連動させることで、地域交流の場を拡張していく。
DNPは、地域と連携し、北海道札幌市北3条広場と東京都渋谷区立宮下公園において、XRコミュニケーション事業を展開する空間のオープンを予定している。
DNPは、自治体や地域のパートナー企業などと共創しながら、日本各地の街や施設の公認空間を開発していく。2021年中に、渋谷区立宮下公園と札幌市以外にも複数箇所の立ち上げを予定しており、2025年までに全国30拠点の構築を目指す。また、各地の公認空間を基軸に、さまざまなXRコミュニケーション事業を展開していき、2025年度までに関連事業も含めて100億円の売上を目指すとしている。