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東芝とダルマ・キャピタル、金融市場での疑似量子計算機による高速高頻度取引の有効性を検証開始

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 東芝とダルマ・キャピタルは、株式市場における高速高頻度取引への疑似量子計算機「シミュレーテッド分岐マシン」適用の有効性に関する共同検証を開始する。

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 今回、東芝は金融取引向けにカスタマイズした疑似量子計算機「シミュレーテッド分岐マシン」をダルマ・キャピタルに提供し、ダルマ・キャピタルの持つHFTテクノロジーを融合することで、ダルマ・キャピタルが東京証券取引所のコロケーションエリアにおいて日本株式を対象にHFT取引を行う。具体的には、図1に示すような金融取引システム環境を構築し、実際の取引を行うことで疑似量子計算機「シミュレーテッド分岐マシン」を活用する投資戦略の有効性を検証する。

図1:疑似量子計算機を応用するHFT取引の実証実験のスキーム図1:疑似量子計算機を応用するHFT取引の実証実験のスキーム

 この検証では、ミスプライシング(図2a)の広域探索のために「シミュレーテッド分岐マシン」を活用する。たとえば、全投資対象銘柄に対して最短経路探索問題を解く等、図2bに示すように組合わせ最適化問題を解くことでしか到達できないミスプライシングを高速に検出する。

図2:疑似量子計算機を用いたミスプライシングの広域探索図2:疑似量子計算機を用いたミスプライシングの広域探索
aミスプライシング発生イメージ/b投資戦略のための組合せ最適化に基づく広域的探索手法

 株式市場における応用方法としては、組合わせ最適化問題を解くことでこれまで対象とされなかったミスプライシングを検出し、統計的裁定取引や最適ポートフォリオ構築等を実施することが考えられるという。このような疑似量子計算機を活用した投資戦略は、従来のHFT取引とはその着想から異なるものとなると考えられ、従来のHFT取引システムでは対象としえないような投資機会を発見することが期待されるとしている。

 ダルマ・キャピタルがこれまで培ってきたHFTテクノロジーに、東芝が開発した疑似量子計算機「シミュレーテッド分岐マシン」が組み合わさることで、必要十分な高速性を維持しつつ、すべての可能性を探索することによる独自の銘柄選択が可能となる。このような疑似量子計算を応用したHFT取引の投資戦略としての有効性と市場の効率的な価格形成や流動性向上への貢献を、実際の金融市場において検証するという。

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BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

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