SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

おすすめのイベント

おすすめの講座

Purposeを起点とした新しい経営

ミツカングループ濱名氏が語る、10年先を見据えた「未来ビジョン宣言」と「ZENB」ブランドの立ち上げ

第16回 ゲスト:Mizkan Holdings/ZENB JAPAN 濱名誠久氏

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

 いま企業のあいだでは、社会における“存在意義=Purpose(パーパス)”を再定義して「何のために存在しているのか」、社員一人ひとりは「何のために働くのか」を明確にする動きが活発になっています。これは、技術革新や時代の変化によって消費者ニーズや価値観が変化したことや、企業都合のビジネスではなくサステナブルな経営が求められるようになった社会の変化も影響しています。
 すでにパーパスを導入している企業の方をゲストに迎え、パーパスのメリットを解き明かしていくこのシリーズ。今回のゲストは企業のありたい姿を、ZENBという、植物を普段食べていない部分まで可能な限りまるごと使った食品ブランドによって示す、株式会社Mizkan Holdings 取締役、株式会社ZENB JAPAN 代表取締役社長の濱名誠久氏です。2018年に発表された「ミツカン未来ビジョン宣言」策定の経緯と、ZENBを立ち上げた意図などについて、『パーパス・ドリブンな組織のつくり方 発見・共鳴・実装で会社を変える』の著者であるIdeal Leaders株式会社のCEO永井恒男氏が聞きました。
※取材はマスクを着用し、ソーシャルディスタンスを保って行っています。

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

ミッション・ビジョンがある中で「ミツカン未来ビジョン宣言」を策定した理由

永井恒男氏(以下、敬称略):ミツカンさんは2018年にZENBという、植物を普段食べていない部分まで可能な限りまるごと使った食品ブランドを始められましたね。「人と社会と地球の健康」に貢献する、ウエルビーイングな新しい食のライフスタイル提案ブランドだと知り、興味を惹かれて購入しました。それがとてもおいしかったので、ホームページを拝見したのですが、御社の大事になさっている「2つの原点」や「グループビジョンスローガン」、「ミツカン未来ビジョン宣言」などが、私たちが考える「パーパス」に非常に近いと感じました。

 私たちはパーパスを自社らしさと社会的な価値、つまり「らしさ」と「ためになる」を示すものだと定義しています。まずは、「2つの原点」と「グループビジョンスローガン」をそれぞれご紹介いただけますでしょうか。

濱名誠久氏(以下、敬称略):「2つの原点」はずっと変わらずミツカンが守り続けていくことを示しています。1つ目は「買う身になって まごころこめて よい品を」です。ここにはお客様、あるいはステークホルダーや社会が変わっていけば、我々がやることも変わっていくという意味も含んでいます。そして変わっていくこと自体が2つ目の原点である、「脚下照顧に基づく現状否認の実行」につながっています。つまり、常に事実に向き合って自分自身を振り返りなさいということです。

永井:“変わり続けること”がミツカンにとって“変わらないこと”になるわけですね。歴史の長い企業は常に変わり続けているものですよね。「グループビジョンスローガン」はどういったものなのでしょうか。

濱名:これは人のいのちの源である食品をつくっているという、誇りと責任を表した言葉で、「やがて、いのちに変わるもの。」としています。こちらは弊社が創業200周年を迎え、2004年に対外発信したもので、タグラインにも入れています。これらを下敷きに、2018年に発表したのが「ミツカン未来ビジョン宣言」です。

株式会社Mizkan Holdings 取締役/株式会社ZENB JAPAN 代表取締役社長 濱名誠久氏
株式会社Mizkan Holdings 取締役/株式会社ZENB JAPAN 代表取締役社長 濱名誠久氏

永井:「2つの原点」と「グループビジョンスローガン」がありながら、「ミツカン未来ビジョン宣言」を出されたのには、どういった理由があるのでしょうか。

濱名:2019年からの中期経営計画を考える中で、これからの10年の環境変化とステークホルダーの変化を意識しました。今後10年の変化は、世界人口の大幅な増加とそれにともなう水や食料の不足、日本の少子高齢化にともなう人口減の影響が大きいと考えられますし、ステークホルダーに関してもZ世代、ミレニアル世代の意識の変化は大きいと考えました。さらに、その頃盛んに言われていたDXを考えると、商売のあり方を変えていかなければいけないとも考えました。

 加えて、これは社内のニーズだったのですが、北米でパスタソースの企業を買収したり、イギリスでピクルスメーカーを買収したりと、当時、社内の海外比率が急激に高まっていました。元々弊社は、「業績が伸びても『ミツカンらしさ』がなければ失敗だ」というぐらい“らしさ”にこだわる企業です。ただ、「ミツカンらしさとはこれです」と明示されているわけではなく、ミツカングループ代表の中埜(和英氏)も常に個々の社員が「ミツカンらしさ」を考え続けることが重要だと語っています。しかし、買収によってグローバル化が進んだ結果、様々な文化的背景を持つ人が入ってきて、どうやってグループ全体の求心力を作っていけばいいのかという点に課題が生まれました。そこで、「2つの原点」「グループビジョンスローガン」を中心に据えて、目指す姿を明確に出すという新しいやり方で、中期経営計画策定の中で「ミツカン未来ビジョン宣言」を作ることにしたのです。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
次代の経営を担うメンバーたちによる「ミツカン未来ビジョン宣言」策定

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
Purposeを起点とした新しい経営連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

フェリックス清香(フェリックスサヤカ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング