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経営変革の「思想」と「実装」

顧客の課題を“仕入れ”、企業変革に活かす──トライアルHD亀田社長と宇田川准教授が語る、思想と実装

第4回ゲスト:株式会社トライアルホールディングス 代表取締役 亀田晃一氏【前編】

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 本連載は、埼玉大学経済経営系大学院 宇田川元一准教授をホストに迎え、既存企業が新規事業やDXなどの新規価値創出を行う際に必要となる経営変革の思想と実装を紐解いていく。今回は福岡発で九州のみならず本州や北海道にもスーパーマーケットを展開するトライアルホールディングスの亀田晃一代表取締役社長を迎えた。レジに並ばずにセルフサービスで決済ができる「スマートショッピングカート」の導入などDXで最先端を走る同社の、変革の推進力の源に迫った。
(※編集部注:インタビューはマスク着用の上、実施しました。写真撮影時のみマスクを外して短時間で撮影)

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集客と収益のポイントを“ずらし続けた”、20年間の成長

宇田川元一氏(以下、宇田川):九州の大学で働いていたとき、近所に「トライアル」の店舗があったのでよく利用していました。そのお店も、今は改装されてかなり雰囲気が変わったようです。最近はお弁当などにも力を入れているみたいですね。

亀田晃一氏(以下、亀田):ありがとうございます。今一番評判がいいのは生鮮食料品ですね。生鮮を強化できたことで業態が一歩進化できたと思っています。トライアルはもともと、ディスカウントストアから始まっています。加工食品や生活消耗品などの、いわゆるコモディティ商品をディスカウントして提供するという業態でした。

 一方、従来のスーパーマーケットは生鮮で集客をし、牛乳や卵、納豆などに代表される日配品や加工食品、生活雑貨や消耗品で収益を上げるというビジネスモデルです。そこにドラッグストアが登場し、彼らは収益のポイントをずらすことでお客様の支持を得て成長しました。日配品やグローサリー(保存の効く加工食品や飲料、日用雑貨など)をディスカウントして集客を行い、医薬品や化粧品で収益を上げるモデルになっています。

 トライアルも日配品やグローサリーで集客するという点でドラッグストアと似ていましたが、収益ポイントは異なりました。2002年くらいから急成長してきましたが、その初期段階では精肉やアパレルが収益源でした。ユニクロやしまむら等のアパレル専門店が今ほど強くなる前のことです。そこから、集客と収益のポイントを、環境の変化に対応して、変化させてきたのがトライアルです。

トライアルカンパニーの売上と店舗数
(トライアルホールディングスのウェブサイトより。この20年で、小売/ソフトウェア開発/物流/商品開発・製造を行うグループ企業の「トライアルカンパニー」は、店舗数、売上高ともに右肩上がりを続けてきた)/※クリックすると拡大します

宇田川:亀田さんが入社されたのは、何年ですか。

亀田:2008年です。その頃から力を入れてきたのが「小商圏商材」です。もともとは広域商圏でディープディスカウントによってお客さんを集めてきたのですが、それでは地域でのシェアを高めることはできません。だから小商圏モデルで成立していたスーパーマーケットとドラッグストアをベンチマークしました。そこで重要になってくるのが、生鮮とヘルス&ビューティでした。

 僕がトライアルに来たときからずっと、「この2つを強化しましょう」と社内で話してきました。でも、当時、生鮮は難しかった。精肉は、1990年代に牛肉の輸入自由化があって、新しいチャレンジができたのですが、青果と鮮魚は農協や漁協という地域市場を通して商品が入ってくるのでスケールメリットが働かなかった。そうなると、地元のスーパーマーケットに敵いませんでした。

 そのため、まずはヘルス&ビューティだということでドラッグストアにチャレンジしましたが、ここにも難しい要因がありました。

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この記事の著者

やつづかえり(ヤツヅカエリ)

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