PKSHA Technologyは、地方銀行の業務DXをサポートする取り組みの一環として、社内外の問い合わせ業務ナレッジ(FAQのフレームワークおよびデータ)を地方銀行間で相互に共有する「地銀FAQプラットフォーム」を5月より提供開始する。
また、京都銀行と事業提携に関する基本合意を締結し、第1弾となる自社のFAQアセットを提供することが決定したという。
同社は、全国の地銀の協力を得てFAQデータを収集し、自然言語処理(NLP)アルゴリズムによる解析を行い、共通化・汎用化したものをAI SaaSを通じて提供。これにより各地銀は、これまで実現しなかった社内問い合わせも含めた、他社のナレッジを入手して比較することが可能になるほか、デジタルチャネルを通じた顧客の理解と豊かな対応が実現できるとしている。
地域金融機関FAQプラットフォームの特徴は以下のとおり。
汎用的なFAQマスタデータ
複数の業界の顧客や社内の問い合わせデータを一元化し、各地銀の枠を越えた問い合わせのデータベースを実現。なお、データベースは汎用的なものであり、顧客情報や個別の銀行に関する情報は含まず、銀行間での情報共有を安心して行うことが可能だという。
精度の高いAI自動応答エンジン
高性能なAI自然言語モデルに、地銀業界最大のFAQデータベースを通じて多くの学習データを取り込むことで、より高い精度のチャットによる問い合わせ対応を実現するとしている。
京都銀行との協業について
京都銀行では、2021年4月よりPKSHAのAI SaaS「BEDORE Conversation」を社内外問い合わせに全面導入しており、コミュニケーション改革によるDXを推進してきた。今後は、京都銀行がBEDORE Conversationの運用に合わせて構築・整備してきたFAQを基に作成した汎用化FAQを、共有基盤を通じて他行に提供するという。
また、今回協業の基本合意を締結した京都銀行に加え、三十三銀行、静岡銀行、十六銀行、名古屋銀行、肥後銀行が、今後の共有基盤への参加・関心を表明。今後、まずは3ヵ月以内を目処に、京都銀行FAQを基に作成した汎用化FAQを他金融機関に試験提供し、検証を進める予定だとしている。