FRONTEOは、従来の創薬プロセスを大幅に変える新規AI創薬システム「liGALILEO(リガリレオ)」によるドラッグマイニング事業を開始した。
新薬の開発には、大きく分けて、新薬の候補を探す「ターゲット探索」、動物を用いて検証する「非臨床試験」、実際に人に投与して有効性と安全性を最終的に検証する「臨床試験」の3つのプロセスがある。開発初期の段階で有望と見られた候補化合物のうち、実際に医薬品として製品化に至るのはわずか2万~3万分の1であり、これに加え10~15年の開発期間と約1,000億円の開発費用を要することが、長年にわたり医薬品開発の大きな課題とされてきたという。
さらに近年は、医学薬学研究や情報化の進展により、発表される論文数が飛躍的に増加し、累計3,000万報以上にも上っている。直近1年間だけでも新たに100万報以上の論文が追加されるなど、その数は増大を続けており、もはや人による解読・分析には限界がきているのが現状だという。
liGALILEOは、自然言語解析AIエンジン「Concept Encoder(コンセプトエンコーダー)」を用いて、膨大な論文情報や医学薬学データをベースに、ターゲット分子のポテンシャルを網羅的・効率的に分析。さらに、ターゲット選定の際に必要不可欠とされる科学性評価や市場性評価等の多岐にわたる複雑な評価指標をAIによりスコアリングする。創薬プロセスの大幅な効率化や高速化を実現することに加え、今後更なる増大が予測される情報に対する網羅的かつノンバイアスな評価の実施、評価プロセスの可視化、ドラッグリポジショニングモデルの構築などにより、従来の創薬プロセスの成功率の飛躍的な向上が期待されるという。