日本IBMは、クレジットカードサービス事業者の新サービス提供や提携先、加盟店との協業共創を加速するため、「デジタルサービス・プラットフォーム(IBM Digital Services Platform/以下、DSP)」に「クレジットカード・サービス」を追加すると発表した。
DSPは、クラウドネイティブ技術やマイクロ・サービスなどの技術を業界共通のサービスとして、金融サービス向けクラウド上で提供されている、金融DXを推進するソリューション。
今回、DSP上の業務マイクロ・サービスに追加された「クレジットカード・サービス」を決済事業者が活用することで、新たなシステム開発の負荷低減およびテストの局所化が実現できるという。これにより、約40%のコスト削減や、約30%の開発期間短縮といった効果を期待できるとしている。
クレジットカード・サービス「API Card Application」が提供するサービスメニューは以下のとおり。
- 請求マイクロ・サービス:カード利用明細照会(確定/未確定)、請求金額照会(確定/変更後)
- ポイント・マイクロ・サービス:ポイント累計照会、ポイント獲得履歴照会、ポイント交換履歴照会
- ユーザー認証マイクロ・サービス:ID/パスワードによるログイン認証、ログインパスワード変更
- 顧客・契約マイクロ・サービス:カード申込、顧客属性登録/変更/照会、契約内容変更/照会 など
- 支払いマイクロ・サービス:リボ払い登録/解除/返済額変更、一括払いからリボ払い変更 など
これらの業務マイクロ・サービスは、クレジットカード会員向けWebシステムや、提携先モバイルアプリのAPI連携などで活用され、クレジットカード会社のシステム開発・運用負荷軽減をサポートする。また、各種機能がクラウドに移設されることで、クレジットカード会社の基幹システムを軽量化でき、システム安定稼働およびシステム更改の負荷軽減にも貢献するという。
同社は今後、上記の業務マイクロ・サービスに加え、クレジットカード利用者や加盟店のニーズを踏まえたデジタルネイティブな新サービスを顧客と共創し、マイクロ・サービス化を進めることで、API Card Applicationのマイクロ・サービスを継続的に拡張。また、これらの取り組みを通じて、将来的にDSPが「シームレスなキャッシュレス社会を支える高付加価値なプラットフォーム」になることを目指すとしている。