不確実な未来に対してユーザー起点で解像度を上げる
世界的に消費者のニーズや価値観の多様化が進み、事業やサービスの短命化が加速するなか、企業は継続的に新規事業開発に取り組む必要に迫られています。
しかし、新規事業が成功するどころか、事業化に至る前に頓挫してしまうケースは非常に多いです。その大きな要因として、事業が成功するかどうかという不確実性が高く、投資判断が困難であり、意思決定のハードルが上がっていることが挙げられます。
そもそも自社でやるべきかどうか、投資対象として適切かどうか、そのアイデアはビジネスとして成立するか──。
元来、新規事業開発は「不確実性の塊」とも言うべきものですが、少しでもリスクを低減しようと、検討の初期段階から、複数のフレームワークなどを使ってアイデアを評価しようと試みるケースが増えています。
とはいえ、評価の基準を増やせば増やすほど、逆にリスクを取る意思決定がしづらくなり、結果として「やらない」ことを選択する可能性も高まってしまうのも事実。結果として、事業化が一向に進まないという悪循環に陥ってしまう企業からの相談が近年増えています。
グッドパッチでは、これまでさまざまなプロジェクトを通じ、新規事業開発にまつわる意思決定に立ち会ってきました。その経験から分かったのは、アイデアを評価する際に「ユーザーの視点」が抜けがちだということです。
作ったサービスでユーザーは満足するのか、ユーザーは増えるのか……もちろん確実なことは分かりませんが、ユーザーを起点に考えることで「不確実な未来に対する解像度が上がる」と私たちは考えています。
ユーザー視点を取り入れる形で、新規事業開発のフレームワークをアップデートする。そうして開発されたのが、事業性評価プログラム「Business Design Review」です。この記事では、その内容紹介を通じ、不確実な状況で決断する際に押さえるべき論点や判断基準についてお伝えできればと思います。