DXへの取り組み3:アジャイルの浸透
終盤では、旭化成におけるアジャイルの浸透について講演が進められた。アジャイル経営を浸透させる手段の1つとして「Asahi Kasei Garage」というイノベーション創出・DXの支援プログラムを実施している。Garageの要素は「デザイン思考」と「アジャイル開発」の2つであり、デザイン思考は「顧客が何を求めているか?」といった顧客視点の考え方を意味する。一方のアジャイル開発は、アイディアをデジタルで実装しながら繰り返す試行錯誤を意味する。
Garageを通じて既に20以上のテーマが進められていると久世氏はいう。各テーマは、社内の業務革新につながるものとビジネスモデル革新につながるもの、大きく2種類に分けられる。「カーボンニュートラルを目指して」というテーマでは各製品のカーボンフットプリント(CFP)を見える化し、CO2削減に向けた取り組みが進められている。2022年には合成ゴム、エラストマー製品の温暖化ガス排出量を可視化するCFP算出システムが稼働、顧客へデータ提供を開始したという。