コーポレートバリューが重要な時代
琴坂:最近、『コーポレートバリュー・アラインメント:企業に根源的価値観を実装する方法』という論文を共同寄稿しました(DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー・2023年4月号[3])。その論文では企業の根源的な価値を「コーポレートバリュー」と名付け、この2つの要素として「企業が最終的に目指す地点」と「企業および企業の構成員の心構え」を挙げています。
企業は「価値観を共有する人間たちが、その実現のために活動する組織」です。しかし、組織と個人の根源的価値観はあるときに同じだったとしても、次第にずれていくことがあります。日本の現状の歪みというのは、企業の根源的価値観と自分のそれがずれていても、自分の人生を見つめ直さないところにあります。これはもったいない。どんな人であっても、ライフステージやその時々の出会いや学びによって、自分が成し遂げたいことが変わってしかるべきです。