大日本印刷(以下、DNP)は、対象物の色情報をデジタル化し、離れた場所でも同じ指標で色情報を共有できる「DNPカラーコミュニケーションサービス」と、色をデジタル数値化して高精度の色判定を実現する「DNPカラー診断サービス」を開発した。
これらのサービスは、同社のカラーマネジメント技術を活用。印刷物のほか、スマートフォンやパソコンのモニターなど異なる機器でも同一の色を再現することで、遠隔地でも色情報の確認や判断を可能にし、4月に提供開始するという。
サービスの特徴は以下のとおり。
DNPカラーコミュニケーションサービス
専用カメラで撮影した対象物の色情報を照明環境などに依存することなくデジタル化し、そのデータに基づいて、あらかじめ機器差がないように調整したモニター上に、正確な色調で対象物を表示。確認者の共通の指標として直感的に選べるカラーパレットを提示することで、遠隔でのスムーズなコミュニケーションを実現するという。化学繊維・ヘルスケア・工業製品のメーカーなどでの商談や、工場への製造指示などに活用できる。
DNPカラー診断サービス
判定基準となる色を数値化し、データベース・判定ロジックを構築。環境光の影響を補正して撮影した対象物の色情報をデジタル化した数値と、目標とする色の数値を照合して確認することで、適正な色の判断が可能。また、人の目や経験に依存していた色の判定をデジタル化することによって、品質の平準化を図る。農業分野における作物の収穫時期の判定、食品・飲料メーカーや工業製品のメーカーなどにおける、製品の色の検査などでの活用を想定しているという。
DNPは今後、上記サービスを含むカラーマネジメント技術を活かしたサービス提供で、様々な業界・業種における企業の新たな価値創出に貢献するとともに、各社のDX推進を支援。また、同サービスを組み合わせたクラウド型汎用サービスとして、通信機能やデータ連動ができる運用体制などを構築し、2025年にその提供を開始するとともに、同年で30億円の売上を目指すとしている。