己を空しくして、データをして語らしめる
さて、KJ法を一言で表すとすれば、「己を空しくして、データをして語らしめる」手法といえる。
この「己を空しく…」をごく簡単に説明すれば、「自身の思い込みや思考の枠を取り払って、データを素直に受け入れ、あるがままの事実を理解する」、そうすれば「新たな気づきが浮かび上がってくる」ということだ。これは当然のことのように思われるかもしれないが、多くのビジネス現場において、自身の思い込み(経験や知識範囲)に縛られてしまい、そのために、本質的な問題を見落としてしまうことが指摘されている[4,5]。このことを、しっかりと意識しておかなければ、知らず知らずのうちに偏った理解と誤った判断をしていることになりかねないので、十分な注意が必要だ。