トヨタ自動車(以下、トヨタ)のモビリティ技術を開発する子会社ウーブン・バイ・トヨタは、2023年4月7日に行われたトヨタの新体制方針説明会で佐藤恒治社長が発表した、トヨタの次世代商品・技術開発を支える方針を発表した。
ソフトウェアプラットフォーム「Arene(アリーン)」
ウーブン・バイ・トヨタの役割は、クルマの知能化を加速するソフトウェアの開発と、ヒト、クルマ、社会をつなげる様々な実証実験を行っていくモビリティのためのテストコース「Woven City(ウーブン・シティ)」を通じて、トヨタモビリティコンセプトの実現を加速させること。
その中核となるのが、クルマの知能化を加速し、モビリティソフトウェアの開発と活用を向上させるソフトウェアプラットフォームであり、車載OSでもある「Arene」だとしている。Areneは、2025年の実用化、2026年には次世代BEVへの搭載を目指しており、モデルにおけるソフトウェアの再利用性を高め、開発の主な部分を自動化して効率化を図ることができるとしている。Areneをトヨタのハードウェアプラットフォームと組み合わせることで、トヨタは新車開発のスピードアップとコスト削減を実現し、よりパーソナライズされた体験をユーザーに届けると述べている。
ウーブン・バイ・トヨタは、Arene以外にもトヨタの自動運転技術開発をリードするなど、様々な分野でソフトウェアのイノベーションを推進。これには、次世代の自動運転・先進運転支援システムや、車両システムによる安全かつ信頼性の高い意思決定を可能にする地理空間情報技術も含まれるという。
未来のモビリティのためのテストコース「Woven City(ウーブン・シティ)」
トヨタとウーブン・バイ・トヨタの未来に向けたビジョンを最も体現しているのが、モビリティのためのテストコースであるWoven Cityだという。Woven Cityは、トヨタをはじめとした様々な企業の開発者、スタートアップ、起業家や子供からお年寄りといった住民など、すべての発明家とともに未来の当たり前を発明し、幸せの量産を目指すものだと述べている。第1期工事は2024年夏に竣工を予定しており、トヨタとともに、2025年の一部実証開始に向けた準備を進めているという。
体制強化
ジェームス・カフナー氏が引き続きウーブン・バイ・トヨタの代表取締役CEOを務めるほか、近健太氏がCFOに加え、新たに代表取締役に就任。両者で会社を牽引していくという。また、東崇徳氏とジュリー・ハンプ氏が取締役、小林耕士氏が監査役に就任している。