オラクルは5月3日、機械学習を搭載し、分析ワークロードのために最適化された自律型データベースである 「 Oracle Autonomous Data Warehouse」の新しい機能を発表した。この機能は、従来のデータウェアハウスやデータレイクの専有的で閉鎖的な性質を打破するもの。今回の機能でユーザーは、性能もコストも犠牲にすることなく、データウェアハウスやデータレイクのアーキテクチャを見直すことができるようになったという。
「Oracle Autonomous Data Warehouse」の主な新しいイノベーションは次のとおり。
オープン・コラボレーション
専有データ共有モデルとは異なり、オラクルは業界標準のオープンソースであるDelta Sharingプロトコルを実装している。このオープンなアプローチにより、ユーザーは、プロトコルをサポートするあらゆるアプリケーションやサービスを使用して、誰とでもセキュアにデータを共有できるようになる。データを迅速に共有することで、古いデータや不正確な結果の使用を排除し、ビジネス上の意思決定を改善することが可能となる。
マルチクラウド機能の拡張
マルチクラウド向けに構築された「Oracle Autonomous Data Warehouse」は、AWS、Azure、Google Cloudのオブジェクト・ストレージへの安全なアクセス、Azure SQL、Azure Synapse、Amazon Redshift、Snowflake、MongoDB、Apache Hive、PostgreSQLへのライブSQL接続、100以上のデータソースからデータを取り込む事前構築済のコネクタなどを備えている。また、「Oracle Autonomous Data Warehouse」では、Apache Icebergテーブルへのクエリや、データレイクのスキーマやメタデータを自動的に取得するためのAWS Glueとの統合も可能になった。
データ統合とデータ分析の簡素化
ローコードベースの「Oracle Autonomous Database Data Studio」は、アナリストやデータ・サイエンティストがIT部門に頼ることなくデータをロード、変換、分析できる直感的なセルフサービス・クラウド・コンソールを提供。製品の追加利用の必要はなく、複数の製品を統合する煩わしさもないという。「Oracle Autonomous Data Warehouse」には、すでに提供されているMicrosoft Excelアドインに加え、Google Sheets アドオンが追加され、信頼できる唯一の情報源(SSOT)に基づいた迅速なインサイトの取得を強化している。
オブジェクト・ストレージと同じコストで高性能なストレージを利用可能に
「Oracle Autonomous Data Warehouse」のExadataストレージのコストを75%以上削減し、オブジェクト・ストレージのコストと同等にすると同時に、クエリ性能を最大で20倍高速化。これにより、ユーザーは、データウェアハウス/データレイク・アーキテクチャに対する現在のアプローチを根本から見直し、すべてのデータを「Oracle Autonomous Data Warehouse」に保存することで、実用的なインサイトまでの時間を短縮し、すべてをより低コストで実現することがで可能となる。