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玉田俊平太教授が語る、破壊的イノベーターへの7ステップ

デザインと経営の未来:経営学者とデザイナーが語るイノベーションの理論と実践:後編

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 8月8日、慶應義塾大学大学院SDM研究科KEIO EDGE Program主宰による公開講座「デザインと経営の未来:イノベーションの理論と実践」が開催された。本稿では、破壊的イノベーションの理論を日本に初めて持ち込んだ、関西学院大学の玉田俊平太教授による講演録をお届けする。  玉田氏は日経ビジネスでのWeb連載のほか、講演タイトルにもなった、近著『日本のイノベーションのジレンマ〜破壊的イノベータになるための7つのステップ〜』(9月11日刊行、翔泳社刊)などを通して、日本企業が世界を牽引するために必要なイノベーションについて啓蒙を続けている。

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Innovationの日本語訳は「創新普及」がふさわしい

 「イノベーション」とはどういった意味を持つのか。語源はラテン語「Innovare(インノバーレ)」で、意味は「何かを新しくすること」。玉田氏はイノベーションが「技術革新」と訳されていることが多いことを紹介した上で、英単語の本質を正確に表すのであれば「創新普及」がふさわしいと説明する。

「技術革新」だと、新しい技術を開発をしてさえいればいいと誤解されてしまう。
「創新普及」であれば、新しいモノを創り出し、それを社会に普及させるという本質を捉えた意味になる。

 また、OECD(経済協力開発機構)が策定した「オスロ・マニュアル」では、イノベーションは「自社にとって新しいプロダクトやサービスを提供したり、新しいプロセスを導入すること」と定義されると紹介。近年日本市場で注目されているサイクロン式掃除機が、実は1920年代には実現していた技術を用いていることを例に挙げ、「他社がすでに出していても、自社にとって新しければイノベーションである」との見解も示した。

 そのほか、今後注目されるキーワードとして「メンタルモデル・イノベーション」についても紹介。アメリカで大ヒットした貝印の包丁「旬」の代表シリーズclassicを例に次のように説明した。

刃に日本刀のような紋様をつけて、切れ味が長続きするという機能的価値のほかに「まるで侍の刀」という主観的価値を付け加えることで大ヒット。出荷数が500万丁を超えた。

 つまり、顧客のメンタルモデル変化させることで、製品やサービスを消費したときに感じる満足度を高めるイノベーションのことで、これからの時代は「高い価格づけを正当化する“価値”を顧客に与えるイノベーションが重要になる」と予測した。

メンタルモデル・イノベーション 『メンタルモデル・イノベーション』
図版参照元『日本のイノベーションのジレンマ 破壊的イノベーターになるための7つのステップ』
著者 : 玉田俊平太 出版社 : 翔泳社

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