2026年3月30日、AIガバナンスツールを提供するCitadel AIは、小野薬品工業が自社業務における生成AI活用の安全性と信頼性向上を目的に、「Citadel Lens」の本格導入を決定したと発表した。

企業でのAI導入は幅広い部門へと進み、活用に伴うセキュリティやレピュテーションリスクへの対応の重要性が増している。特に製薬業界は、機密性や正確性が高く求められることから、生成AIの回答誤り(ハルシネーション)やバイアス、情報セキュリティなどの課題が顕在化している。
Citadel AIの提供するCitadel Lensは、生成AIの導入段階のリスク評価から運用開始後のリアルタイム監視まで、生成AIのライフサイクル全体に対応する機能を備えたガバナンスツールである。導入により、これまで人手で対応していたAIリスク評価作業を自動化し、業務効率を高めるだけでなく、AI利用時の安全性および信頼性を高める枠組みが構築できる。
小野薬品は医薬品開発や研究において、DX(デジタルトランスフォーメーション)を重要な競争力強化策と位置づけてきた。AIやデジタル技術を活用する一方で、業界の特性上、デジタル技術の安全性担保への要請も厳しい。同社はCitadel Lensが提供するAIリスク評価・制御機能を評価し、全社的な生成AI活用環境の整備の一環として、その導入を決定した。
Citadel Lensは生成AIアプリケーションの入出力に起因するリスク、たとえば回答品質リスクやセキュリティリスクを適切に検出し、制御する。小野薬品では、社内チャットボット等の業務用生成AIへの品質検証プロセスが継続的に組み込まれ、高精度な応答を担保するとともに、新たなリスクの早期発見と迅速な対応が可能となる。
今後、Citadel AIは、創薬研究や医薬品開発プロセスなど、より専門性の高い領域でのAIガバナンスへ応用を拡大し、「攻めと守り」のDXを支える基盤として体制強化を進める方針を示した。同社は小野薬品全体での安全かつ革新的なAI活用を引き続き技術面から支援するとしている。
小野薬品工業のデジタルテクノロジー本部IT I&O部長である井関順義氏は、「デジタル技術の活用は当社の競争力強化の鍵であり、Citadel Lens導入によって人手によるリスク評価を自動化できることで、イノベーションを加速できる体制が整うことを期待している」と述べている。
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