日本IBMは2026年3月27日、IBM Institute for Business Value(IBV)による「CDOスタディ2025『AI活用による飛躍的な効果の創出』」日本版を発表した。本調査は、日本を含む世界27地域・19業種のデータ・分析領域のリーダー1,700人(最高データ責任者(CDO)など)を対象に実施されたものである。
調査結果によれば、AIの事業全体への展開が加速する中、エンタープライズ・データ戦略が進化している。CDOの81%(日本80%)が自社のデータ戦略とテクノロジー・ロードマップやインフラ投資が統合されていると回答し、2023年の52%から大きく増加した。しかし自社データがAIによる新たな収益源として活用できていると自信を持つCDOは26%(日本27%)にとどまり、データのアクセス性や整合性などが障壁となっている。
CDOの役割にも変化がみられる。92%がビジネス成果への焦点が不可欠と答え、データ管理からビジネス戦略へのシフトが進んでいる。一方、データ活用のビジネス成果を明確に伝えられるCDOや価値測定指標を持つCDOは3割前後に過ぎない。競争優位を確立するためのデータ活用がガバナンスやセキュリティより重要視されており、84%が企業固有のデータプロダクトが大きな競争優位をもたらすとし、78%が差別化戦略上、固有データの活用を最重要と認識している。
AI活用意欲も高い。AIケイパビリティーや施策を促進する投資を優先するCDOは81%で、非構造化データをビジネス価値に結びつけているCDOは32%と課題も残る。全体の79%(日本76%)はAIエージェントに多様なデータセットの作成に着手しているが、スケールやガバナンスはまだ初期段階である。
組織文化や人材に関する課題も浮き彫りになった。83%が、データのタイムリーな活用によりスピード向上に不可欠な「データの民主化」を重視。半数近くが高度なデータスキルを持つ人材の採用・育成・定着を最重要課題とし、これを確保できているとする割合は54%にとどまる。
日本固有の課題としては、部門ごとのデータ分断や責任主体の曖昧さが挙げられる。これらの課題への対応として、再利用可能なデータプロダクトや部門横断的なデータ基盤整備が求められている。
本レポートは経営企画部門など企業変革や新規事業を担う部門にとって、AI活用とデータガバナンス、組織変革の推進に向けた現状と課題を把握するための重要な示唆を提供している。
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