ボストン コンサルティング グループは2026年8月20日、デジタル行政サービスに関する市民の意識と利用状況を調査した「Digital Government Citizen Survey Report」を公表した。調査は44カ国、48,500名を対象に実施され、2012年から隔年で行われている。
今回の調査によると、世界のデジタル行政サービス利用率は2016年から15ポイント上昇し38%となった。しかし、満足度は66%で、2016年と比較して13ポイント低下した。この「満足度」は「非常に満足している」「満足している」「どちらかというと満足している」の合計から「まったく満足していない」「満足していない」「どちらかというと満足していない」の合計を引いた比率である。
日本においては、デジタル行政サービスの利用率が21%にとどまり、調査対象44カ国中で最も低い水準だった。さらに、満足度も29%と各国と比較し極めて低い水準となっている。加えて、日本では行政のAI導入ペースを「遅すぎる」と感じる声が多いことも明らかになった。
一方、調査ではAIを行政サービスに活用することに対する市民の支持も高まっている。全体の64%が少なくとも週に1回AIを利用しており、行政サービスのパーソナライズや利用体験の向上といったAI活用への期待が示された。AI導入ペースを「適切」と評価する国では、行政サービスの満足度が高い傾向にあることもデータから示されている。
ただし、市民はAIによる行政サービスの全面的な自動化には慎重であり、3分の2が「人による監督」が必要と回答した。特に、判断が複雑または重要な場面では人が関与することを望む声が多い。
BCG日本のマネージング・ディレクターである中川正洋は、「日本では行政のAI運用実績の公開を求める声が最も多く(38%)、AIの判断の正確性についても懸念が示された(35%)。政府はAI活用ガイドラインや監督体制の整備、透明性の確保など、包括的な取り組みが必要である」とコメントしている。
今回の結果は、行政のAI積極活用と市民参加による信頼性向上、利便性の高いサービス設計に向けた新しい事業モデルや政策立案の必要性を示唆している。経営企画部門にとっては、AI活用の推進と様々なステークホルダーとの連携が、変革や新規事業の実現において極めて重要となるだろう。
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