ボストン コンサルティング グループ(BCG)は、このほど「The 2026 M&A Report」を発表した。2026年1~8月期の世界のM&A市場は取引総額ベースで前年同期比15%増となり、過去10年間の同期間平均も11%上回った。日本市場の新たな注目テーマにはグループ再編と上場企業への積極的な買収提案をあげた。

この伸びは主に大型案件の増加によるもので、取引価額100億ドル以上のメガディールは37件と前年同期の24件から増え、過去最多となった。一方、10億ドル未満の案件数は長期平均を下回る。BCG独自の「M&Aセンチメント・インデックス」は83と年初の79から上昇したが、長期平均の100を下回った。業界別では金融・不動産(108)が最も高く、テクノロジー(52)などは低い水準にとどまった。

AIについては、一部の領域でM&Aを促進する一方、既存のビジネスモデルや競争優位が今後も維持できるか不透明になり、価値評価や取引の実行が難しくなっている領域もあると指摘した。
日本では2026年通年の案件数が2025年比2.8%増と予測される。グループ再編では非中核事業の整理・売却や親子上場の解消などの動きがみられる。上場企業への買収提案では、2023年8月の経済産業省「企業買収における行動指針」策定以降、「同意なき買収」を含むアプローチが広がりつつあるという。共著者の横瀧崇氏は、トヨタ自動車などによる豊田自動織機へのTOB成立やデンソーによるロームへの買収提案を例に挙げ、M&Aを企業価値創造のための経営アジェンダとして捉えることが重要だとした。

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