三菱総合研究所(以下、MRI)と産総研グループ(以下、産総研)およびAIST Solutionsは、12月18日から国土・都市デジタルツイン構築・運用のためのエコシステム構築に係る共同研究を開始した。
共同研究では、まず、デジタルツイン実現に有効なデータの一つである「点群データ」に着目し、研究を開始。点群データとは、3次元の位置情報と色情報を持った点の集合データのことで、これによって現実で測定した地形や物体などをコンピューター上で表現することができるという。点群データを活用する国土管理や都市経営の基盤を構想し、自治体の各種業務のDXを進めることを目標の一つに据え、MRIおよび産総研は次の活動を行うとしている。
MRIの活動内容
- 都市課題を解決するための国土・都市デジタルツインのユースケース要件整理
- 国土・都市デジタルツインによる自治体業務の効率化・高度化の仮説検討
- 自治体による国土・都市デジタルツインの試行・評価の実施
- 国土・都市デジタルツインを持続的に維持・拡大していくための技術・ビジネスでのエコシステム検討
- 国土・都市デジタルツインを日本の国土保全・管理基盤とするための政府や自治体への打ち込み
- 議論の場((仮称)点群データ活用研究会)の企画と運営
産総研の活動内容
- 都市課題を解決するための国土・都市デジタルツインのシステム要件整理
- 国土・都市デジタルツインの構築
- 国土・都市デジタルツインを持続的に維持・拡大していくための技術・ビジネスでのエコシステム検討
- 国土・都市デジタルツインを日本の国土保全・管理基盤とするための標準仕様検討
- 議論の場((仮称)点群データ活用研究会)への参加と知見提示
またMRIは、産総研および自治体の参画を得て「点群データ活用研究会」を設置、主催する。同研究会では、点群データの活用による自治体業務の効率化・高度化を目指し、自治体が抱える課題を解決するための様々なユースケースを検証、具体化、発信することを目指しているという。
当面の間、現在の会員とともに点群データの活用ケースの検討を行い、成果の公表を目指すとのこと。その後、自治体や民間企業などの会員を増やしながら、点群データなどの空間情報を活用した新たなユースケースのアイデアを創出し、官民連携を前提とした開発・実装に取り組むとしている。