オリンパスと日本電信電話（以下、NTT）は共同で、内視鏡の映像処理機能をクラウド上で実現するクラウド内視鏡システムの実証実験を開始した。

　クラウド内視鏡システムでは、オリンパスの内視鏡に対する技術を活用し、内視鏡装置内で処理されてきた映像処理を遠隔地に設置されたクラウド上で実施。従来のネットワーク技術では実現が困難だったが、今回NTTのIOWN APN技術を活用することにより、クラウド上でのリアルタイム映像処理を実現するという。

　実証実験では、実際の内視鏡とGPUサーバをIOWN APNで接続した実験環境を構築し、それを起点として今後以下のような検証などを双方で実施していく予定だとしている。

• 高速低遅延を実現する光伝送パスで内視鏡とクラウドを模擬したサーバを接続することで、クラウド化にともなう処理の遅延が発生しないこと
• ネットワーク障害時におけるフォールバックなどを含め、医療機器に求められる高い信頼性、可用性をシステム全体として実現できること
• セキュア光トランスポートネットワーク技術を用いて内視鏡とクラウド間を暗号化することで、情報のセキュリティが確保できること

　同実験終了後、NTTとオリンパスは実証で得られた知見をもとに、クラウド内視鏡システムのビジネス化に向けた検討を共同で進めるとのこと。またNTTは、医療機器をクラウド化する際の諸技術課題を解決する医療機器向けネットワークのリファレンスモデルを確立させ、オリンパスはクラウド内視鏡システムなどに最適なネットワーク、およびそのリファレンスモデルの確立に寄与するという。