「通勤鉄道から交流鉄道へ」という既存事業のアップデート
紺野:どのような業界にも環境変化は訪れます。わかりやすい最近の例が、写真フィルムのビジネスですね。デジタルカメラの普及により写真フィルムの市場は一気に失われ、業界大手の地位を誇っていたコダックは破綻を迎えました。しかし。世界初のデジタルカメラを開発したのは彼らでした。一方で、同じく写真フィルム大手だった富士フイルムは、いち早くヘルスケアや化粧品などへの事業転換を行い、今なお成長を続けています。
この事例からわかるのは「本業にこだわりすぎると、いつの間にか本業自体が失われるかもしれない」ということです。それを踏まえれば、鉄道会社でありながらデジタル技術や生活サービスをより強化する「私鉄3.0」のアイデアは的を射たものだと思います。