アスタミューゼは、「特許が企業価値に与える影響について」研究した分析結果を発表した。
同調査は、北米市場を分析対象とし、R&D費ではなく所有する特許の価値が、投資家の期待を含む企業の株式リターンに与える影響を検証。また、同社の特許データを用いて、特許の保有が企業価値の代理変数である将来のPBR水準へ与える影響を検証した。
特許を取得している企業と取得していない企業の間には、将来の株価リターンとROEに対して格差が生じることがわかった。特許を取得している企業の中においても、より評価の高い特許を保有している企業のほうが将来の株価リターンとROEが高いことが明らかになった。
この効果は、既存のリスクファクターを調整した後においても有効性が保たれる。また、特許の保有は、現時点または将来のPBR水準を高める効果があることが確認された。
企業による研究開発競争が激化している状況下、知的資本としての特許は、企業のイノベーション活動を高め、自社の競争優位性や企業価値向上に寄与するという。
今後も、特許は企業と投資家の双方にとって関心の高いテーマとなり、資本市場に与える影響もより大きなものになると想定されると同社は述べている。
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