紺野氏が指摘する日本のイノベーションエコシステムの課題
続くパネリストとして登壇した紺野登氏(JIN 代表理事・多摩大学大学院教授)は、大嶋氏の発表を受け、日本企業が直面する課題とエコシステムの重要性について言及した。今回の「IMSAP Global Studio」視察でも参考としたのが、日本とアメリカの中間的なアプローチを取るヨーロッパの事例だったという。そして、ヨーロッパでは、大学がエコシステムで鍵となる役割を果たしていると指摘する。

現在も多くの企業は日本国内の大学に投資し、研究室単位で連携しているが、これはあくまで技術・知識資産の移転にとどまり、エコシステムの共創には至っていない。また、大学がイノベーション教育に十分取り組めていない点も課題だと指摘。これは世界でも共通しているのだが、スタンフォード大学をはじめとする一部の大学はこの問題解決に動いている。日本でもさらなる進展が求められると述べた。