SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

競争優位性を構築する組織カルチャー変革

ルールを経糸、マインドを緯糸に織り上げる組織文化──自分ゴト化で目指す真のインクルージョン

ゲスト:東レ経営研究所 髙林和明氏(後編)

  • Facebook
  • X
  • Pocket

CQを学んでも自分ゴト化できない理由

宮森千嘉子氏(以下、宮森):東レさんの社員として日本で働いている方は、国籍に関わらず「ホフステードの6次元モデル」における「不確実性の回避」が高い傾向にあったというお話をしました。それは、東レさんの文化に合うように育ててきた結果なのだと思います。

 しかし、海外から来られた方からすると、アダプテーション(適応)というのは日本のやり方を押し付けるだけでなくミューチュアル(相互的)なものであるべきだという考えもあるのではないでしょうか。

髙林和明氏(以下、髙林):そうですね。本当の意味でのダイバーシティ&インクルージョンを訴えていかなければいけないですね。

宮森:東レさんでも4年間CQの講座をやらせていただいており、そこでお会いする皆さんには変化を感じます。

髙林:研修を受けた人たちはみな、「変えなければならない」と感じているようです。しかし、「自分から変えていけ」と言っても難しいというのが実情です。

宮森:毎年講座の最後に「グローバルリーダーとして、ご自分は何をされますか」と聞いてきました。皆さん素敵なことをおっしゃるのですが、「そのような立場になったら」という条件付きなんですよね。

髙林:待ちの姿勢で、自分ゴト化していないのでしょうね。自分が先頭になって変えていくという覚悟が大事なのですが。

宮森:覚悟が持てないのはなぜでしょうか。

髙林:“保身”だと思いますね。「Innovation by Chemistry」というコーポレートスローガンの通り、元々はイノベーティブで新しいものが次々と出てくる会社だったはずです。それが徐々に“自由”よりも“管理”が勝るようになり、今ではいわゆる“良い子”な社員が増えています。

宮森:やはり「不確実性の回避」の高さが影響しているようですね。対立が起きても、それを建設的なものにして進めていけるような、良き組織文化を作っていく必要があります。

髙林:そのためには、CQの高い人を増やさなければなりません。

 外野として見ていたり本を読んだりするだけではわかったことになりません。宮森さんの講座で疑似体験したり、社外の人たちと交わったりすることで、自分たちと他者がどれだけ違っているかを腹の底から感じるからこそ変化が起きると思います。

株式会社東レ経営研究所 代表取締役社長 髙林和明氏
株式会社東レ経営研究所 代表取締役社長 髙林和明氏

次のページ
「あなたも弱者になる」が真のインクルージョンにつながる

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
競争優位性を構築する組織カルチャー変革連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

やつづかえり(ヤツヅカエリ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング