大阪ガスは、生成AIを活用して、カーボンクレジットの品質を評価するシステムを構築した。
カーボンクレジットとは、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス(GHG)の削減・除去(吸収)量を、国家間や企業間で取引できるように認証されたもの。
同システムの詳細は次のとおり。
開発した生成AIによるカーボンクレジット品質の評価システムについて
- カーボンクレジット創出プロジェクト(PJ)の計画書を開発したAIで分析
- 100を超える基準との整合性を評価(①)することで、カーボンクレジットの品質を評価
- AIにより膨大なプロジェクトを網羅的に評価できるため、今後はプロジェクト間の品質の相対評価(②)も実現できる可能性があるという
同システムの利用イメージ
- カーボンクレジットの創出は、クレジット創出プロジェクト(PJ)計画書に基づく認証機関による認証、プロジェクトの開発(クレジット創出)、クレジットの発行と格付け機関による格付け、取引の流れで進む
- クレジットの開発が始まる前段階から同システムにより多くのプロジェクトを事前評価することで、良質なプロジェクトを選別して、出資やクレジット買い付けを迅速に意思決定できるという
- クレジットの取引前の段階で同システムによりクレジットの品質を評価することで、グリーンウォッシュなどの品質リスクを簡便に確認できる
これにより、従来第3者に初期評価を委託する場合、一般的に1〜2ヵ月を要していた期間を、数十秒程度に飛躍的に改善することが可能になるという。
同社は今後、適用可能なクレジットの分野を拡大していく予定だとしている。
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