アマダは、DXの推進と次世代の人材育成の取り組みの1つとして、神奈川県伊勢原市の本社内に「アマダ・テクニカルエデュケーションセンター」(以下、ATEC)を開設した。
同社は、顧客課題の解決スピードをさらに加速させるため、アマダ独自のビジネスモデルである直販・直サービスを、データに基づくデジタル営業・サービスへとさらに進化させる新たな取り組み「ADMS」を構築。
ADMSとは、マーケティングデータの分析を通じた新たなビジネス機会の創出により、もの作り産業が抱える社会課題解決を目指すとともに、より優れた商品・サービスを提供していく取り組みである。
従来の人依存のモデルから本社と現場が一体化したモデルへ変革するため、従来のアマダ独自の営業支援・顧客管理システムをさらに進化させるとともに、V-factory、IoTサポートと同一プラットフォームに移行し一元化。
これにより、アマダグループ国内既納入約6万3千社をはじめとする顧客情報のさらなる可視化、分析、共有が可能となり、本社と現場のパフォーマンスをより一層平準化するという。
さらに、サービスエンジニアのエンジニアリング力向上、マルチスキル化に向け、オンライントレーニングサイトを構築した。
サイトでは個々のスキルを14分類で分析したスキルマップと、試運転やメンテナンスのみならず、ソフトウエアや加工技術、ビジネス提案など独自に作成した約800種類のオンラインコンテンツが連携。個々のスキルに応じてリモートでトレーニングを実施することで、サービスエンジニア全体のスキルの平準化を実現するという。
また、新たな教育施設ATEC1階の実習場には新旧45機種のマシンを設置。マシン本体の分解・組付けだけでなく、駆動機構やレーザー発振器などの専門知識も習得できる。さらには自動化ニーズに対して、自動化システムとロボットも多数設置。試運転だけでなくプログラム作成から加工まで、顧客への教育が可能なスキルの習得を目指す。
2階にはNC装置、空圧・油圧、専用治工具など、5部屋のシミュレーター室を用意。研修室では特定の危険性をともなう業務を行う場合に必要な、特別教育や職長教育などを実施する。
これらの教育を通して36ヵ国、約1700人のサービスエンジニアを、顧客の製造現場に貢献できる次世代型エンジニアへと育成する。さらに、グローバル全社員のエンジニアリング化を推進し、顧客課題の早期解決と満足度のさらなる向上を目指すとしている。
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